ニュース

トマトのリコピンはニンニクやタマネギで調理すると吸収されやすくなる

 名古屋大学はカゴメとの共同研究で、トマトに含まれるリコピンは、ニンニクやタマネギ、油と一緒に加熱することで、トランス体からシス体へと構造が変化し、体内に吸収されやすくなることを明らかにした。それを促進している成分のひとつは、ニンニクやタマネギを調理することで生成される香り成分「ジアリルジスルフィド」だという。
トマトの「リコピン」には抗酸化作用がある
 研究は、名古屋大学大学院工学研究科の後藤元信教授らによるもので、成果は関西大学で3月に開催された化学工学会第83年会で発表された。

 トマトに含まれる赤い色素である「リコピン」には、活性酸素を消去する抗酸化作用などがある。体内の活性酸素が増えると細胞が傷つけられるが、リコピンはこの活性酸素を消し去って、「体をサビたような状態」になるのを防ぐ作用をする。

 リコピンの構造には大きく分けて、「トランス体」と「シス体」がある。これは同じ化学式ながら化学構造が異なる幾何異性体の一種で、炭素二重結合において、炭素が反対側にあるものをトランス型、同じ側にあるものをシス型と呼ぶ。

 これまでの研究で、リコピンはトランス体よりもシス体の方が体内に吸収されやすいことが報告されている。生トマトに含まれるリコピンは主にトランス体として存在するが、油と一緒に加熱することでシス体に変化する。

 リコピンの体内への吸収を高める手法として、リコピンの構造をトランス体からシス体に変化させる以外にも、「加工・加熱」したり「乳製品や油との同時摂取」することが知られている。

関連情報
ニンニクやタマネギで調理するとリコピンが吸収されやすくなる
 研究では、トマトペーストと各種野菜とオリーブオイルを混合後、80℃のお湯で30分間加熱し、加熱後の総リコピンに占めるシス体含有率をHPLC法にて比較した。

 その結果、ニンニク、またはタマネギを混合したものは、トマトペーストとオリーブオイルのみの対照と比較して、有意にリコピンのシス体への構造変化が促進されることが分かった。

 ニンニクやタマネギに含まれる特徴的な成分として、「含硫化合物」がある。研究グループは、これらがリコピンのシス体への構造変化に影響していると考え、促進成分を検討した。リコピンと候補となる含硫化合物と油脂を混合後、電子レンジで加熱(500W、4分間)し、加熱後の総リコピンに占めるシス体含有率をHPLC法にて比較した。

 その結果、ニンニクやタマネギを調理することで生成されるジアリルジスルフィドが、もっともリコピンのシス体への構造変化を促進することが分かった。

 「トマトと料理の相性が良い、ニンニクやタマネギなどのユリ科野菜と一緒に加熱調理することで、一層シス体リコピンが増えることは、食と健康を考える上で大変興味深いことです。この分野の研究がさらに進展することで、トマト製品のおいしさと機能性の関係性が、よりはっきりと示されるのではないかと期待しています」と、後藤教授は述べている。
名古屋大学工学部・大学院工学研究科
カゴメ
[Terahata]

「栄養」に関するニュース

2018年09月19日
「糖尿病腎症」のリスクは糖尿病予備群の段階で上昇 検査で早期発見を
2018年09月19日
早期乳児の腸管内ビフィズス菌 母親の分娩時の抗菌薬投与で減少
2018年09月14日
2017年国民健康・栄養調査(1) 糖尿病・高血圧・コレステロール 多くの項目で目標未達成
2018年09月14日
2017年国民健康・栄養調査(2) 食事エネルギー量は60歳代が最多 外出しない高齢男性が低栄養に
2018年09月11日
肥満でなくても「高コレステロール」に注意 日本人を30年調査 滋賀医大
2018年09月11日
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果
2018年09月05日
高齢者のフレイル対策は栄養指導の大きな課題 日本栄養士会が全国大会
2018年09月05日
「スマートミール」認証がはじまる バランスの良い健康な食事の証
2018年08月29日
「アルコール」は健康に悪い? 総合的にみて安全な飲酒量はないと結論
2018年08月29日
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか?

最新ニュース

2018年09月20日
健やか親子21全国大会事前申込み受付中(10/12日(金)〆切)
2018年09月19日
日本人の28%が65歳以上 女性の高齢者は2000万人超 働く高齢者も最多
2018年09月19日
「糖尿病腎症」のリスクは糖尿病予備群の段階で上昇 検査で早期発見を
2018年09月19日
早期乳児の腸管内ビフィズス菌 母親の分娩時の抗菌薬投与で減少
2018年09月18日
男性の同性間性的接触によるA型肝炎患者が激増
2018年09月14日
2017年国民健康・栄養調査(1) 糖尿病・高血圧・コレステロール 多くの項目で目標未達成
2018年09月14日
2017年国民健康・栄養調査(2) 食事エネルギー量は60歳代が最多 外出しない高齢男性が低栄養に
2018年09月13日
【9/10~9/16は自殺予防週間】SNS(LINE・チャット)相談できます!
2018年09月12日
【申込開始】あらゆる世代の健康支援に役立つ一冊 保健指導用・健康事業用「教材・備品カタログ2019年版」 
2018年09月11日
肥満でなくても「高コレステロール」に注意 日本人を30年調査 滋賀医大
2018年09月11日
乳がんの新たな検査法を開発 マンモグラフィーの欠点を克服 神戸大
2018年09月11日
「うつ病対策」が職場のメンタルヘルスを向上させる 日本の対策は最下位
2018年09月11日
「ミドリムシ」の成分が血糖値の上昇を抑制 期待できる健康効果
2018年09月07日
「運動不足」が世界に蔓延 日本でも3人に1人が運動不足 WHOが報告
2018年09月07日
【母子保健担当者】災害時の母子保健対策に関するマニュアル等について
2018年09月06日
「保健師の活動基盤に関する基礎調査」を開始 日本看護協会
2018年09月06日
糖尿病患者さんに向けて「血糖トレンド」啓発キャンペーンを始動
2018年09月05日
高齢者のフレイル対策は栄養指導の大きな課題 日本栄養士会が全国大会
2018年09月05日
「スマートミール」認証がはじまる バランスの良い健康な食事の証
2018年09月05日
育児中の女性の孤独感 SNSなど双方向的な育児支援が必要 京都大
2018年09月05日
禁煙後の体重増加で糖尿病リスクが上昇 でも禁煙のメリットは大きい
2018年09月05日
暑さに対策してウォーキング 安全に運動するための10ヵ条
2018年09月04日
「ストレスチェック制度の活用」へるすあっぷ21 9月号
2018年09月03日
【「STOP!肥満症」強化月間記念行事】特別セミナー&市民のための身体健康チェック体験会ご案内
2018年08月31日
【健やか親子21】18歳から"大人"に!成年年齢引き下げで変わること、変わらないこと。(内閣府)
2018年08月30日
【参加募集中】2018年度 第1回産業保健プロフェッショナルカンファレンス テーマ「保健指導」※定員に達したため、応募を締め切りました
2018年08月29日
「アルコール」は健康に悪い? 総合的にみて安全な飲酒量はないと結論
2018年08月29日
「コーヒーは健康に良い」は本当か 何杯までなら飲んで良いのか?
2018年08月29日
朝食で「牛乳」を飲むと1日を通じて血糖値が低下 糖尿病を予防
2018年08月29日
介護予防に効果がある「百歳体操」の動画 大阪市が吉本興業と共同制作
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 7,421 人(2018年08月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶