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認知症を予防するのための食事スタイルが判明 糖尿病や肥満の改善効果も
2015年04月30日
「マインド ダイエット」と呼ばれる新しい食事スタイルが、アルツハイマー病などの認知症を予防するのに効果的であることが、米国のラッシュ大学医療センターの研究で明らかになった。
認知症を予防するために効果的な食事スタイルについてはこれまでも研究が行われているが、ラッシュ大学医療センターが行った研究によると、「マインド ダイエット」と呼ばれる食事スタイルは、ほどほどに守っていても効果を得られる点が従来の食事スタイルと異なり画期的だという。 認知症を予防するための食事スタイルは、糖尿病や肥満を予防・改善するための食事療法と共通する部分が多い。糖尿病や高血圧、肥満などを改善することが、認知症の予防にも役立ちそうだ。
アルツハイマー病の発症リスクが50%以上低下
医学誌「アルツハイマー病と認知症」に発表された研究で、「マインド ダイエット」を実行した人では、アルツハイマー病の発症リスクが5割以上減少することが明らかになった。ほどほどに実行した人でも発症リスクを4割近く減少した。
この研究は、1997年に開始された大規模研究「ラッシュ記憶加齢プロジェクト」の参加者923人を対象に行ったもの。研究チームは2004~2013年に、参加者の食事内容を調べ、認知症の発症を追跡して調査した。
期間中に144人がアルツハイマー病を発症したが、「マインド ダイエット」を実行した人では、発症リスクが53%低下した。ほどほどに実行下人でも、発症リスクが35%低下した。
なお、健康的な食事スタイルとして知られる「地中海式ダイエット」と「DASHダイエット」でも、アルツハイマー病はそれぞれ54%と39%低下したが、ほどほどに実行した人では予防効果はほとんど得られなかった。
「地中海式ダイエット」と「DASHダイエット」のハイブリッド
10種類の良い食品と5種類の悪い食品
・葉菜類(キャベツ・ホウレンソウ・レタス・ケール・コマツナ・ハクサイなど)
・根菜などの野菜(ニンジン・トマト・ブロッコリー・カブ・ゴボウなど)
・ナッツ類(クルミ・アーモンド・ピスタチオなど)
・ベリー
・豆類(大豆・インゲン・グリーンピースなど)
・全粒穀物(小麦の全粒粉や玄米など)
・魚(マグロ、カツオ、サーモン、サバなど)
・チキン(脂肪の多い皮の部分を取り除く)
・オリーブオイル
・ワイン このうち、ベリーは果物なかで唯一取り上げられており、「アントシアニン」や「ビタミンC」などが豊富に含まれ、動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こす活性酸素を抑える抗酸化作用があるとされている。 また、赤ワインに含まれるポリフェノールである「レスベラトロール」にも抗酸化作用がある。飲み過ぎには注意が必要だが、1日1杯を飲むと心筋梗塞や認知症などの予防効果を得られることが、過去の研究で確かめられている。 反対になるべく控えた方が良い5種類の食品は次の通り――
・赤身肉
・バター・マーガリン
・チーズ
・ペイストリーやケーキ、お菓子
・油で揚げた食品、ファストフード 脂身の多い肉やバター・チーズなどの乳製品など、動物性脂肪に多い飽和脂肪酸は、動脈硬化を進展させ脳の健康にも悪いので、なりべく控えた方が良い。 今回の研究は介入試験ではないので、「マインド ダイエット」の効果については今後の研究で確かめる必要があるが、研究者は糖尿病、高血圧、肥満などの改善にも役立つ食事スタイルとみている。 「マインド ダイエット」を実行した期間が長いほどアルツハイマー病の発症は減少したことから、「健康的な食事を若い時に開始すると、より強い効果を得られます。"まだ若いから"と安心せず、今日からでも食生活を見直すべきです」と、モリス氏は述べている。 New Mind Diet May Significantly Protect Against Alzheimer's Disease(ラッシュ大学 2015年3月16日)
MIND diet associated with reduced incidence of Alzheimer's disease(Alzheimer's & Dementia February 2015年2月11日)
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