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健保組合の保険料率が8年連続で上昇 はじめて9%台に

 大企業の健康保険組合などでつくる健康保険組合連合会(健保連)は、2015年度予算の集計結果を公表した。平均保険料率(報酬に占める保険料の割合)は2015年度、過去最高の9.02%になった。前年度より0.16ポイント高く、はじめて9%台になった。上昇は8年連続で、高齢化の進展を背景に、高齢者医療制度に拠出する負担金が増え続けている。
保険料率を上げても8年連続の赤字 高齢者医療の負担が増大
 集計結果は回答した1384組合から全1403組合の予算を推計したもの。全体の約2割にあたる316組合が4月から保険料率を引き上げたほか、保険料が10%台に乗せた組合が285あり、前年度から30増えた。43組合は引き下げ、残る1025組合は据え置いた。1人当たりの年間保険料は、労使合計で前年度比1万1,296円増の47万8,649円となった。
 収入は7兆6,488億円で前年度比3.05%増だったが、支出は0.02%増の7兆7,917億円で、健保全体の見込みは前年度より2254億円改善したが、1,429億円の赤字になった。赤字は75歳以上の後期高齢者医療制度が発足した2008年度以降続いており、保険料率を上げているが8年連続して赤字となることが見込まれている。赤字の組合の数は945(67.3%)となっている。
 健保組合の保険料収入に占める高齢者医療への負担金の割合は、2015年度で平均43.7%だが、70%を超える組合も17ある。前期高齢者納付金は2008年に比べ、団塊の世代が参入する前の2011年度は9.0%の増加なのに対し、団塊の世代が移行し始めた2012年度は20%、団塊の世代全員が前期高齢者に移行した2015年度は36.0%も増加するなど、2012年度以降の伸びが顕著だ。

 支出のうち、後期医療への支援金が3.27%増の1兆6,562億円、65~74歳の医療費への納付金が5.03%増の1兆4,668億円。これらの高齢者医療費への拠出が保険料収入の43.7%を占め、50%を超す健保も全体の2割の305健保に達する。
 今後、団塊世代の高齢化に伴う高齢者医療費の増大や、後期高齢者支援金の総報酬割部分が2016年度は3分の2、2017年度は全面総報酬割に拡大されることにより、支援金・納付金負担がさらに重くなることは確実で、現役世代が過重な拠出金負担に苦しむ状況に変わりはない。

 健保連では「保険料率の引き上げ等による対応が限界に達しているなか、高齢者医療への拠出金負担の増加に対する負担軽減措置が必要であるとともに、高齢者医療の負担構造改革が不可欠となっている」と述べている。

平成27年度健保組合予算早期集計結果の概要(健康保険組合連合会 2015年04月22日)
[Terahata]
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