ニュース

更年期を迎えた女性の「ホルモンケア」 がむしゃら世代の4割が「我慢」

 仕事や生活にひたむきに取り組んできた「がむしゃら」世代の女性が更年期を迎えて、4割以上が体調不調を感じても我慢してやりすごしていることが、「ホルモンケア推進プロジェクト」の調査で明らかになった。
 体の不調を相談できる「かかりつけ医」をみつけることが、女性の一生の健康を左右すると、専門家はアドバイスしている。
女性ホルモンのバランス変化を考えた「ホルモンケア」
 責任のある仕事を任されたり、仕事と子育ての両立や介護など、多くの女性が多忙な時期を迎える30代後半以降に、女性ホルモンのレベルは低下しはじめ、仕事や私生活に多大な影響を及ぼす可能性が高くなる。

 「ホルモンケア推進プロジェクト」は、医療、美容、栄養、キャリアカウンセリングなどの専門家が集い、女性ホルモンのバランス変化を考えたケア「ホルモンケア」の実践を推進する活動をしている。

 同プロジェクトは、更年期にさしかかってくる40歳~50歳代の女性333人を対象に、「更年期世代女性の体調変化と心理状態」調査(2017年3月インターネット調査)を実施した。
がむしゃら世代の女性の4割が不調を「我慢」
 それによると、全体の67.3%の女性たちが「他人から"がむしゃらだ"と言われた経験がある」と回答。これらの女性の71.0%が「やりたいこととやるべきことのうち、やるべきことを優先する」などと回答し、責任感が強くストイックである傾向がうかがえた。

 さらに、約7割が周囲に助けを求めたり、弱音を吐いたりするのも苦手で、現状に満足せず、約6割が「今以上頑張らなくてはいけない」と思っていることも明らかになった。体調の変化に対してもストレスに感じながらも、誰にも相談せず自身で抱え込み、我慢していることが推測される。

 ここ5年での身体や体調の変化について聞いたところ、54.0%が「体調変化を非常に感じている」と回答。ストレスを感じているときに、自身の不調に対して「我慢してやりすごす」(41.5%)という対処をすることが多く、「病院へ行く」(26.8%)という女性は少数であることが示された。
閉経前後のホルモンバランスの乱れにより不調が起こる
 女性にとって、妊娠・出産以外で訪れる体の大きな変化は、「生理」の始まり(初潮)と終わり(閉経)だ。日本産科婦人科学会によると、日本女性の平均閉経年齢は約50歳。

 こうした調査結果について、世代・トレンド評論家の牛窪恵氏は「40~50歳代女性では、50歳前後から閉経前後のホルモンバランスの乱れによって、頭痛やめまい、ほてり、イライラなどさまざまな不調に悩まされる女性が多い。それにも関わらず、彼女達はその辛さを顔に出したり弱音を吐いたりはしません。なぜならそれは、自分に対する"甘え"だから。多くの40~50代女性は"自分に負けたくない"と考え、がむしゃらに頑張り過ぎてしまう傾向にあります」と言う。

 現在の更年期世代の多くは「バブル世代(47~58歳)」で、青春時代、右肩上がりの経済を背景に「頑張ればいいことが待っている」と信じ、何事にも失敗をおそれず、ポジティブに挑戦したきた。1980~90年代のまだ男女雇用機会均等法が社会に浸透する以前の日本で、旧態依然とした社会と戦ってきた。「女性の精神的自立」という新時代を自ら開拓し、「自分に負けまい」という気持ちをもっているという。

 「ただ、更年期による体調不良は、誰にでも起こり得る生理現象。この事については、がむしゃらに頑張り過ぎることなく、節目節目で立ち止まり、自分の体の声を聞き、時には外部に助けを求めるなど、適切な情報収集や処置に向けて踏みだして欲しい」と、牛窪氏は言う。
女性ならではの健康リスクを理解したほうが良い
 産婦人科医の吉野一枝氏は「過去、女性たちは生涯において閉経までにおおよそ10回程度出産を経験しましたが、現代女性においてはその回数が減っています。そのため、過去の女性たちは生涯での月経回数が約50回程度だったのが、現代女性は約450回と9倍に。しかし、その一方で女性ホルモンの仕組みは進化していません。現代女性たちは、毎月排卵と月経を無駄に繰り返していることになり、排卵月経が増えることで子宮内膜症・子宮体がん・卵巣がん・乳がんなどの健康リスクが増加しています」と解説している。

 女性ホルモンは35歳付近からゆっくりと低下していき、40歳代に突入すると急降下する。そして、閉経後はエストロゲンがほとんど出なくなる。男女では健康問題が異なり、女性は女性ならではの健康リスクについてきちんと理解したほうが良いという。

 「女性ホルモン(エストロゲン)は健康ホルモンであるとも言え、女性の全身の健康を守っています。よって、エストロゲンが低下していくタイミングで、コレステロール・肝機能異常・肥満・高血圧などの生活習慣病リスクが高まることがわかっています。また、エストロゲンの受容体は全身にあるため、皮膚・髪・骨・精神などにも影響があり、"ちょっとした変化"が女性ホルモン減少のサインと覚えておきましょう」と、吉野氏は解説する。
体の不調を我慢せずに適切な処置を
 更年期の症状は、女性ホルモン低下以外に、心因的ストレス(夫婦関係、育児、仕事、介護など)と、「ストレス」をどうとらえるかという性格的要因も大きく関係しており、人によっては日常生活に支障をきたしてしまうことも。女性が健やかに生活していくためには、自身の不調に向き合い、我慢せずに適切な処置をすることが重要になる。

 更年期症候群の治療法としては、漢方・ホルモン剤(低用量ピル、ホルモン補充療法)、精神安定剤、自律神経用剤などがある。また、バランスのとれた食事・サプリメント摂取・十分な睡眠・適度な運動・ストレスマネジメントなども、治療効果をより高められると期待できる。

 サプリメントの例としては、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンを活性させる「エクオール」などがある。このように様々なアプローチがあるため、ちょっとした不調を相談できる「かかりつけ医(ホームドクター)」をみつけることも、女性の一生の健康を左右するという。

ホルモンケア推進プロジェクト」
[Terahata]

「産業保健」に関するニュース

2017年12月14日
科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」を公開
2017年12月14日
「腸内環境」を整えアンチエイジング 腸内細菌の多様性が長寿の秘訣
2017年12月14日
加熱式たばこも血管には有害 血管内皮機能が低下 「iQOS」で実験
2017年12月13日
「糖尿病のクリスマスプレゼント」実施中 豪華商品と現金が当たります
2017年12月07日
冬のウォーキングの効果を高める5つの方法 寒い冬には注意が必要
2017年12月07日
米を中心とした日本型食生活が健康寿命を延ばす 食育健康サミット2017
2017年12月07日
糖尿病と肥満が80万人のがんの原因に 肥満が原因のがんは54万例
2017年12月04日
【新連載】超高齢社会への提言「エイジング・リテラシー」(有料老人ホーム入居支援センター)
2017年12月02日
浮世絵風のポスターなどでインフルエンザ予防を呼びかけ(東京都)
2017年12月01日
「新たな自殺総合対策に向けて」へるすあっぷ21 12月号

最新ニュース

2017年12月14日
科学的根拠に基づく「産業保健における復職ガイダンス2017」を公開
2017年12月14日
「腸内環境」を整えアンチエイジング 腸内細菌の多様性が長寿の秘訣
2017年12月14日
糖尿病リスクを減らすためには「運動を継続」することが必要
2017年12月14日
加熱式たばこも血管には有害 血管内皮機能が低下 「iQOS」で実験
2017年12月14日
「ビワの種」に天然の有害物質 「食べないで」と農水省が注意喚起
2017年12月14日
【健やか21】学校の管理下の災害 (平成29年版)の発行について
2017年12月13日
「糖尿病のクリスマスプレゼント」実施中 豪華商品と現金が当たります
2017年12月12日
未成年者のインフルエンザ罹患後異常行動に具体的な注意喚起を追加
2017年12月11日
女性は健康維持にバランスの良い食事や歯磨き習慣-中高年者縦断調査
2017年12月08日
【健やか21】不育症治療の助成について(Fuiku-Faboフイクラボ)
2017年12月07日
冬のウォーキングの効果を高める5つの方法 寒い冬には注意が必要
2017年12月07日
米を中心とした日本型食生活が健康寿命を延ばす 食育健康サミット2017
2017年12月07日
糖尿病と肥満が80万人のがんの原因に 肥満が原因のがんは54万例
2017年12月07日
長野市が「ベジライフ宣言」で糖尿病対策 野菜から食べ30回噛む
2017年12月06日
【HAMIQ】認知症の社会的処方箋/おもいやり災害食認証制度
2017年12月04日
【新連載】超高齢社会への提言「エイジング・リテラシー」(有料老人ホーム入居支援センター)
2017年12月02日
浮世絵風のポスターなどでインフルエンザ予防を呼びかけ(東京都)
2017年12月01日
【健やか21】思春期アンケート「高校生の性交経験と生活環境・保健指導」
2017年12月01日
「新たな自殺総合対策に向けて」へるすあっぷ21 12月号
2017年11月30日
「心が健康な人」を増やす・支えていくことが産業保健師ならではのメンタルヘルス事業の心得【産保PC第3回レポート】
2017年11月30日
【くるみpro更新情報】クリスマスプレゼント付き資料請求実施中!
2017年11月30日
ママから笑顔がきえるとき―文京学院大が産後うつ予防リーフレット作成
2017年11月29日
食塩の摂取量を減らすと医療費を削減できる 「減塩」の効果は大きい
2017年11月29日
「ウォーキング」で重要なのは継続 少し歩いただけで健康効果を得られる
2017年11月29日
高カフェインの「エナジードリンク」で健康被害が 摂取の制限を検討
2017年11月29日
「早食い」が原因で肥満やメタボに よく噛んで食べるための6つの対策
2017年11月29日
糖尿病の男性は「ED」(勃起不全)のリスクが高い EDは治療できる
2017年11月28日
【新連載】がん患者さんのアピアランス・サポート (みなとアピアランス・サポート相談室)
2017年11月27日
【健やか21】産後うつ予防リーフレット・動画公開(文京学院大学)
2017年11月27日
【保健師募集】研修制度充実・人財育成に力を入れている鶯谷健診センター
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 6,681 人(2017年12月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 保健師 44%
  • 看護師 20%
  • 管理栄養士・栄養士 22%
  • その他 14%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶