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糖尿病は心臓病や脳卒中の要因 5割以上が知らない NIPPON DATA
2017年04月05日

滋賀医科大学は、糖尿病が心臓病や脳卒中を引き起こす危険因子であることを5割以上の人が知らないという調査結果を発表した。
心臓病や脳卒中の危険因子についての理解が足りない
この研究は、滋賀医科大学アジア疫学研究センターの三浦克之センター長が研究代表者をつとめる厚生労働省研究班(指定研究)の「NIPPON DATA研究」によるもので、「日本循環器病予防学会誌」2016年11月号に掲載された。
心臓病や脳卒中などの循環器疾患を引き起こす「危険因子」は、▽高血圧、▽糖尿病、▽高コレステロール血症、▽HDLコレステロール低値、▽喫煙、▽不整脈などだ。
研究では、無作為抽出された日本全国300地区の一般住民を対象に、2010年に実施された国民健康・栄養調査の対象者のうち、同研究に参加した20歳以上の2,891人(男性1,236人、女性1,655人、平均年齢58.8歳)が参加して行われた。
その結果、循環器疾患の危険因子であると正しく回答した割合は、高血圧85.8%、高コレステロール血症72.6%、喫煙58.5%、不整脈49.8%、糖尿病45.1%、HDLコレステロール低値38.5%だった。

半数以上が糖尿病が危険因子であることを知らない
高血圧、高コレステロール血症、喫煙歴、糖尿病のある人は、自らがもっている危険因子について、危険因子であることを認知している割合が高い傾向がみられた。
しかし、危険因子をもたない人の認知度は低かった。たとえば糖尿病が循環器疾患の危険因子であると回答した割合は、糖尿病のある人では67.6%に上ったが、糖尿病のない人では41.8%だった。
また、心臓病や脳卒中などの循環器疾患を引き起こす危険因子として、高血圧を挙げた人は8割超、高コレステロール血症を挙げた人は7割超で、認知度が高いことが判明したが、その他の危険因子についての認知度は低かった。
特に、強い危険因子である糖尿病は5割以上、喫煙は4割以上の人が認識していないことが分かった。
日本では長年、高血圧を中心とした循環器疾患予防が行われ、1960年代以降は国民の血圧水準は年々低下し、循環器疾患死亡率も減少してきている。
しかし今後は高血圧だけでなく、糖尿病や喫煙など、その他の危険因子の認知度も高め、個人個人が予防に努めていくことが重要であると研究者は述べている。
滋賀医科大学アジア疫学研究センター一般国民における循環器疾患危険因子の認知度および危険因子保有と認知度との関連 : NIPPON DATA2010(日本循環器病予防学会誌 2016年)
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