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妊娠期に魚を食べた女性で「抑うつ」が減少 DHAとEPAは女性に有用

 妊娠期に魚を多く摂取している女性は、あまり摂取していない女性に比べ、「抑うつ状態」が少ないことが、富山大学の研究で明らかになった。配偶者である男性にも同じ傾向がみられたという。「エコチル調査」(子どもの健康と環境に関する全国調査)の最新の成果だ。
妊娠中の女性約7万5,000人と配偶者約4万人を調査
 「エコチル調査」(子どもの健康と環境に関する全国調査)は、環境省が2011年にスタートさせた、全国10万組の子どもとその両親が参加している大規模な健康調査。北陸では富山大学が担当し、富山市、滑川市、魚津市、黒部市、入善町、朝日町の在住者を対象に調査が行われている。

 それによると、妊娠期に魚を多く摂取した群は、そうでない群を比べ、「抑うつ状態」の人が少ないことが明らかになった。

 妊娠期に魚を食べる量と抑うつ状態について、約7万5,000人の規模で検証したのは世界ではじめてだという。

 妊娠中や出産後に「気分が落ち込んで何もしたくない」いわゆる「抑うつ状態」になった経験をもつ女性は少なくない。

 これまで、魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を摂取すると、うつになりにくいことが分かっている。

 「DHA」(ドコサヘキサエン酸)や「EPA」(エイコサペンタエン酸)は、魚由来の代表的な ω3系多価不飽和脂肪酸。DHAは脳や神経にとって有用で、子どもの発育にも必要とされる。そのため、妊娠中や授乳中の女性は、より多くのDHAを摂ることが推奨されている。

 同大はすでに、エコチル調査の追加調査から血中のEPA濃度が高い人ほど抑うつ状態になりにくいという研究を報告している。この研究は「妊娠前期における抑うつ症状と血中ω3系多価不飽和脂肪酸の研究」としてまとめられた。

妊娠中の女性約7万5,000人と配偶者約4万人を調査
 今回、エコチル調査に参加している妊娠中の母親約7万5,000人と、その配偶者約4万人について、魚を食べる量と「抑うつ状態」との関連を調査した。

 調査では、魚食の量に応じて「少ない」「やや少ない」「中程度」「やや多い」「多い」の5グループに分けて解析した。「少ない」群と比較して、ほかのグループで「抑うつ状態」になりやすかったかどうかを検討した。

 その結果、妊娠前期では「やや少ない」(83%)と「中程度」(79%)の群で抑うつ状態になりにくかったことが判明。

 また、妊娠中後期では「やや少ない」(75%)、「中程度」(78%)、「やや多い」(71%)、「多い」(87%)の群で抑うつ状態になりにくかった。

 出産後1ヵ月の産後期では「やや少ない」(88%)、「中程度」(90%)、「やや多い」(91%)の群で抑うつ状態になりにくかった。

 さらに、調査対象である母親の配偶者である父親でも、「やや多い」(75%)の群で抑うつ状態になりにくかったことも明らかとなった。

 今回の調査による結果は「魚を食べると抑うつ状態になりにくい」という可能性を示唆するもので、「魚を食べていないから抑うつ状態になりやすいのか」あるいは、「抑うつ状態だから魚を食べていないのか」のかは明らかとなっていない。

 また、魚食習慣がある人は一般的に健康意識が高く、ほかの健康習慣の影響による可能性もある。

 なお、魚には食物連鎖による濃縮で、多くの水銀を含んでいるものがあるので、妊娠した女性は量を控える方が良いものもあるが、キハダ、サケ、イワシ、ブリ、ビンナガ、アジ、サンマ、カツオ、メジマグロ、サバ、タイなどの魚については、特に注意は必要ないとしている。

 研究は、富山大学医学部公衆衛生学講座の浜崎景准教授らの研究グループによるものだ。研究成果は、精神医学専門誌「Journal of Psychiatric Research」オンライン版に発表された。

富山大学エコチル調査富山ユニットセンター
Dietary intake of fish and n-3 polyunsaturated fatty acids and risks of perinatal depression: The Japan Environment and Children's Study(JECS)(Journal of Psychiatric Research 2017年12月15日)
[Terahata]

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