一無、二少、三多の健康習慣の実践が17年後の健康状態(主観的健康感)につながる ~中高年者縦断調査の概況(厚生労働省)~
同じ対象者を長期間追跡する縦断研究という、行政機関による調査としては特徴的なデザインで行われている、厚生労働省の「中高年者縦断調査」の最新の解析結果が発表されました。
当協会が掲げる健康標語「一無、二少、三多〔一無(禁煙)、少食、少酒(節食)、多動(運動)、多休(休養)、多接(人や物とのかかわり)〕」との関連性を中心に、結果を紹介します。
調査の概要
■調査の目的
「中高年者縦断調査」は、団塊の世代を含む全国の中高年者世代を対象として、その人たちの健康・就業・社会活動などの変化の継続的な調査であり、平成17年(2005年)度に開始されました。厚生労働省はその目的を「(中高年者の)行動の変化や事象間の関連性等を把握し、高齢者対策等厚生労働行政施策の企画立案、実施等のための基礎資料を得ること」としています。
■調査の対象・客体
この調査は、平成17年10月末時点で50~59歳だった全国の男女を対象に続けられています。今回発表された第18回調査の結果は初回から17年経過した時点のものであり、対象者の年齢は67~76歳になっていました。調査客体は、前年(第17回)または前々年(第16回)の調査にも協力していた1万9,241人で、令和4年11月2日に実施されました。
調査概要詳細や昨年までの追跡調査の結果は、以下のニュースを参照ください。
16年にわたる「中高年縦断調査」からわかる主観的健康感の高さと「一無、二少、三多」
調査結果
世帯の状況:夫婦のみの世帯がほぼ半数
まず世帯構成の調査結果をみると、今回の第18回調査では「夫婦のみ」の世帯が47.3%とほぼ半数を占め、次いで「親なし子あり」(子から見た祖父母は非同居)の世帯が23.8%と4分の1弱、単独世帯が13.1%、三世代世帯が10.2%などとなっています
この17年間で、「夫婦のみ」の割合は21.4%から倍以上に増加したのに対して、「三世代世帯」は22.4%から半減し、「親なし子あり」も39.5%から4割低下しました(表1)。
※日本生活習慣病予防協会ウェブサイトに移動します
一般社団法人 日本生活習慣病予防協会のご案内
「一無、二少、三多(※)」のスローガンを掲げ、生活習慣病の予防、啓発を目的に、情報発信、企業との連携活動などを行っております。毎年2月を、全国生活習慣病予防月間とし、テーマを定め、講演会や関連団体、企業との協力関係のもと、全国的な啓発活動を行っています。
保健指導の現場でも役立つ、ポスター・リーフレット等の啓発資材配布などを行っています。
※一無:禁煙 二少:少食、少酒 三多:多動、多休、多接
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