ニュース

受動喫煙により大動脈疾患リスクが2倍超に増加 家庭外の受動喫煙は深刻

 受動喫煙によって大動脈疾患(大動脈解離・大動脈瘤)による死亡リスクが上昇することが、筑波大学の研究グループによって世界ではじめて明らかにされた。
受動喫煙により大動脈疾患の死亡リスクが上昇
 受動喫煙は、肺がんや心筋梗塞、脳卒中などのリスク因子となる。また、喫煙は大動脈疾患の主要なリスク因子となることから、受動喫煙においてもその関連が疑われている。しかし、受動喫煙に関する研究は少なく、大動脈疾患との関連ついては明らかにされていなかった。

 「JACC研究」は、文部科学省の科学研究費の助成を受けて、1988年に開始された大規模地域コホート研究。全国45地区の住民を対象に質問紙によって生活習慣を把握し、その後の追跡を行っている。

 筑波大学医学医療系の研究グループは、JACC研究で受動喫煙の程度を質問紙によって調査し、計4万8,677人の参加者を平均16年間にわたって追跡した。

 その結果、受動喫煙の程度が低い群と比較した、受動喫煙の程度が高い群の大動脈疾患死亡の多変量調整ハザード比(95%信頼区間)は2.35(1.09-5.09)、すなわち大動脈疾患により2.35倍死亡しやすいことが判明した。

 受動喫煙の程度が高い群は、受動喫煙が家庭内でほぼ毎日2時間以上、または家庭外でほぼ毎日の人が含まれている。

 なお、継続的に喫煙している人の大動脈疾患死亡リスクは4.09倍だった。
家庭外での受動喫煙の影響は強い
 また、受動喫煙の程度を家庭外と家庭内に分けて分析すると、家庭内での受動喫煙の影響よりも、家庭外での受動喫煙の影響が強い結果だった。

 家庭外での受動喫煙とは、主に職場や飲食店での受動喫煙であることから、家庭内よりも多くの喫煙者の煙にさらされると考えられ、今回の結果の違いにつながった可能性が示唆されるという。

 今回の研究成果により、受動喫煙が人体へ与える悪影響がまたひとつ明らかになり、受動喫煙対策の重要性がより明確になった。この研究を機に、受動喫煙の有害性についての認識が国民の中で広まることが期待される、と研究グループは述べている。

 この研究は、筑波大学医学医療系の山岸良匡准教授、磯博康客員教授らの研究グループによるもの。研究成果は、米専門誌「Atherosclerosis」オンライン版に発表された。

筑波大学医学医療系
[Terahata]
side_メルマガバナー

「保健指導リソースガイド」に関するニュース

2024年01月18日
【アンケート:抽選でAmazonギフト500円プレゼント】
「健康課題」と「健康管理システム/健康支援サービス」の活用について
2023年11月27日
2023年度版【保健指導アトラス】を公開!保健指導に携わる人が知っておきたい法律・制度
2023年10月20日
インスリン・フォー・ライフ(IFL)グローバル
最近の活動と取組みについて(アリシア・ジェンキンス代表)
2023年09月15日
2023年インスリン・フォー・ライフ(IFL)のウクライナ支援(IDAF)
2023年09月12日
期間限定40%オフ!「健診・予防3分間ラーニング」DVDセール開催中!
2023年10月13日(金)まで
2023年07月12日
【アルコールと保健指導】「飲酒量低減外来」についてのインタビュー/面談時に30秒でできるアルコール指導ツールの紹介
2023年07月04日
健康経営の推進に!課題解決に合ったものを探せる「健康管理システム」一覧をリニューアルしました【サイト情報】
2023年04月04日
【サイト情報】「よろず相談センター」終了のお知らせ
2023年02月20日
【サンプル提供】間食指導に♪糖類ゼロでおいしい甘さ「パルスイート® カロリーゼロ」&ヘルシーレシピ集
2023年02月10日
【オピニオン公開中】職域でのアルコール指導・減酒支援、多職種・チーム連携
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶