アルコールと薬物の使用による世界の死亡者数が年間300万人超 WHO報告 ~お酒は少量をたしなみ、ほどほどに(『一無、二少、三多』ー少酒より)~
世界保健機関(WHO)は2024年6月、世界で年間260万人がアルコール摂取により死亡しているとする報告書を発表しました1)。260万人という死亡者数は、全死亡数の4.7%を占めるとのことです。
WHOは、「注視すべきこととして、アルコールに起因する死亡者のうち200万人および薬物に起因する死亡者のうち40万人は、男性であることが指摘される」と強調しています。
日本生活習慣病予防協会(監修:代表 和田 高士)
アルコールに起因する死亡者数のうち、非感染性疾患(NCD)によるものが160万人
WHOの報告書では、2019年にアルコールに起因する死亡者数のうち、非感染性疾患(Non Communicable Diseases、NCD)によるものが160万人で、そのうち47万4,000人が心血管死、40万1,000人ががんによる死亡でした。
NCDとは、WHOが定義する不健康な食事や喫煙などの生活習慣によって引き起こされる予防可能な疾患のことで、生活習慣に生活環境(大気汚染による肺疾患、メンタルヘルス)を加えた概念です。
NCD以外では72万4,000人が交通事故・自傷・対人暴力の傷害死、28万4,000人が感染症死であり、感染症死の中にはHIVや結核が含まれます。
人口1人あたりに換算した場合の飲酒量は、2010年の5.7Lから2019年には5.5Lとわずかに減少し、地域別では2019年時点で欧州(9.2L)と米大陸(7.5L)で高値を示しています。一方、習慣的飲酒者1人あたりに換算した場合、1日に平均27gの純アルコール(例えば、ビール500mLの純アルコール量は約20g)が摂取されていました。また、習慣的飲酒者の38%は、1カ月に1回以上の頻度で大量飲酒(1機会に純アルコール60g以上の摂取)を行っていることも報告されています。
さらに、未成年や若年者の飲酒の問題も明らかにされており、世界全体で15~19歳の23.5%が飲酒をしていて、欧州(45.9%)や米大陸(43.9%)でとくに顕著な値が示されています。
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参考文献
1) WHO News / Over 3 million annual deaths due to alcohol and drug use, majority among men
Report:Global status report on alcohol and health and treatment of substance use disorders
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「一無、二少、三多(※)」のスローガンを掲げ、生活習慣病の予防、啓発を目的に、情報発信、企業との連携活動などを行っております。毎年2月を、全国生活習慣病予防月間とし、テーマを定め、講演会や関連団体、企業との協力関係のもと、全国的な啓発活動を行っています。
保健指導の現場でも役立つ、ポスター・リーフレット等の啓発資材配布などを行っています。
※一無:禁煙 二少:少食、少酒 三多:多動、多休、多接
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