オピニオン/保健指導あれこれ
中小企業の安全で元気な職場つくりを支援するために
No.1 中小企業の安全衛生を支援
愛知医科大学医学部衛生学講座 教授
2014年02月06日
我が国の経済を支え、多くの人々が働く中小企業
何度も指摘されていることですが、我が国の経済を支える主力であるとともに、多くの人々の職場になっている中小企業の産業保健は、誰もがその重要性を理解していながら、実践にあたって効果的な方法を見いだすのは容易ではありません。
しかし、産業保健全体から見れば、多数派である中小企業で働く人々の問題を困難だからと言って放置することは産業保健専門職の存在意義が問われることになってしまいます。
これは私が時々感じることですが、日本産業衛生学会は確かに産業保健の専門家が集う学会ですが、実は中小企業の安全衛生を中心になって支えるのは大学の研究者でもなければ、大企業の専属産業医でもありません。中小企業の安全衛生支援に最も近いところにいるのは労働衛生機関の専門職、開業労働安全衛生コンサルタントなどでしょうか。
さらに、中小企業の嘱託産業医を務め、主に臨床に携わっている開業医、勤務医、また労働衛生行政官も現場に入っていることを考えれば大変重要な役割を果たしています。
しかし、残念ながらこれら中小企業をめぐるスタッフが顔を合わせる機会は極めて少ないのが実状です。中小企業安全衛生研究会ではささやかながら、これら中小企業の安全衛生支援に携わる人々の対話の場を提供することも大事な目標の一つにしています。
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