トピックス・レポート
働く人に伝えたい!薬との付き合い方
-薬・サプリとセルフメディケーション-
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⑦薬と食品の相互作用に注意
2023年11月10日
食品の影響② 薬の代謝に影響する
1. 薬が効きすぎる:降圧薬とグレープフルーツジュース
降圧剤(フェロジピンなど)は、グレープフルーツジュースで飲むと効果が強く出たり、副作用が現れやすくなったりするおそれのあることが知られています。
グレープフルーツに含まれる「フラノクマリン」という成分は、薬の代謝(分解)する酵素(SYP)の働きを阻害することが知られています。代謝される薬の割合が減り、その結果、体内に吸収される量が通常より増えてしまい、効果が強く出たり(血圧が下がりすぎる)、副作用が現れやすくなったりすると考えられています(図2・図3)。
さらにこの作用は、グレープフルーツジュースを飲んだ日だけではなく、2~3日続く場合もあるといわれていますので注意が必要です。
図2 薬の代謝に及ぼすグレープフルーツジュースの影響
図3 薬の吸収に及ぼすグレープフルーツジュースの影響
出典:Bailey,D.G., et al: Effect of grapefruit juice and naringin on nisoldipine pharmacokinetics. Clinical Pharmacology and Therapeutics, Vol.54.
影響を受ける代表的な医薬品
- カルシウム拮抗薬(降圧剤):アムロジピンやフェロジピンなど
- 免疫を抑える薬:シクロスポリンやタクロリムスなど
- コレステロールを下げる薬:アトルバスタチンやシンバスタチンなど
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