-薬・サプリとセルフメディケーション-
⑧薬とサプリメント・健康食品の相互作用に注意
本連載では「大人」でも意外と知らない「薬」の知識やセルフメディケーションの基本を、加藤哲太先生(日本くすり教育研究所 代表理事)にご解説いただきます。
保健指導や健康だよりで取り上げたい「薬」の話題を隔月ペースで紹介しますので、ぜひご自身の学習、業務での情報発信にご活用ください。
サプリメント・健康食品とは
サプリメントとは、健康食品に分類される食品で、健康食品もサプリメントも法律上の定義はなく、健康の維持増進のために利用されています。
一般に「健康食品」は「健康の保持増進に資する食品全般」、また「サプリメント」は「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」と考えられています。
図1 健康食品・保健機能食品・医薬品の分類
薬との相互作用に注意が必要
健康食品などには、「通院中・薬を服用中の方は、医師・薬剤師にご相談ください」といった注意事項が記載されています。
しかしながら、東京都が行った「健康食品に関する意識や認知度等」に関するアンケート結果[1]では、「健康食品の利用時に基礎疾患がある(あった)人の約7割が、利用前に専門家には相談していなかった。専門家に相談した割合では、『医師に相談した』人が23.3%、『薬剤師に相談した』人が7.8%、『登録販売者に相談した』人が2.2%であった。」と報告されています。
薬を服用する際には、サプリメント・健康食品の相互作用について理解し、専門家に相談して有効で安全に利用することが大切です。
今回は"効き目が変わる組み合わせ"を、いくつか例に挙げて紹介します。
効き目が変わる組み合わせ
サプリメント | 医薬品 | 相互作用 |
---|---|---|
セントジョーンズワート | 抗うつ薬 | 不安やイライラなど (セロトニン症候群) |
セントジョーンズワート | 心臓病の薬 | 心臓発作のリスク |
コエンザイムQ10 | 心臓の薬 | 心臓の機能に悪影響 |
薬用ニンジン | 睡眠薬 | 不眠やイライラ |
DHA:EPA、魚油 | 抗血栓薬 | 出血傾向 |
イチョウ葉エキス | 抗血栓薬 | 出血傾向 |
グルコサミン | 抗血栓薬 | 出血傾向 |
ニンニク・しょうがエキス | 抗血栓薬 | 出血傾向 |
クロレラ | 抗血栓薬 | 薬効低下 (血栓形成傾向) |
[1]「インターネット福祉保健モニターアンケート結果『健康食品に関する意識や認知度等』について」(東京都 福祉保健局)
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