トピックス・レポート
働く人に伝えたい!薬との付き合い方
-薬・サプリとセルフメディケーション-

⑧薬とサプリメント・健康食品の相互作用に注意

効き目が変わる組み合わせ

1. 不安やイライラなどの症状が出る

セントジョーンズワート+抗うつ薬
 セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)は「うつ状態を改善する」といわれており、軽度のうつ状態に対しては、有効性が示唆されています。しかし、さまざまな医薬品との相互作用があるため、使用には注意が必要です。
 セントジョーンズワートには抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬[SSRI])などと似た作用を示す成分が含まれており、抗うつ薬の典型的な副作用が増大し、めまい、悪心、嘔吐、頭痛、不安障害、意識混濁、過敏、不穏が認められる症例(セロトニン症候群)が現れることがあります。

添付文書より

医薬品:フルボキサミンマレイン酸塩錠
(選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>)

併用注意(併用に注意すること)
〇セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セントジョーンズワート)含有食品

臨床症状:セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれるおそれがあるので、減量するなど、観察を十分に行いながら慎重に投与すること。

機 序:危険因子セロトニン作用を相互に増強させるためと考えられる。

2. 心臓発作のリスクが高まる

セントジョーンズワート+心臓病の薬
 セントジョーンズワートは肝臓の薬物代謝酵素の働きを良くするため、薬の代謝・排泄が早まります。薬物代謝酵素の中でも「CYP3A4」「CYP2B6」と呼ばれるものの活性を高めるため、これで代謝される多くの薬に影響します。
 特に心臓病の薬の多くが影響を受け、心臓発作のリスクが高まる危険があります(図2)。

添付文書より

医薬品:ジゴキシン(強心配糖体製剤)

併用注意(併用に注意すること)
〇セイヨウオトギリソウ(St.JohnlsWort、セントジョーンズワート)含有食品

臨床症状、措置方法:本剤の作用を滅弱することがあるので、併用する場合には本剤の血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること。

機 序:本剤の排泄が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイョウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。

図2 セントジョーンズワートと医薬品の組み合わせ

図2 セントジョーンズワートと医薬品の組み合わせ

3. 心臓の機能が悪化する

コエンザイムQ10+心臓の薬
 コエンザイムQ10は、体内産生物質で、心臓の細胞に多く存在しています。医薬品として代謝性強心薬「ユビデカレノン」として、処方されています。
 同じ作用をもつ強心薬と飲み合わせると、有効成分のとりすぎで、心臓の機能に悪影響が出る危険があります。

4. 不眠やイライラなどの症状が出る

薬用ニンジン+睡眠薬
 薬用ニンジンは根の部分が用いられ、健胃強壮、鎮静、血糖調整、血圧調整、その他多くの効果があるとされ、医薬品や「健康食品」として広く利用されています。
 主成分はニンジンサポニンで、神経系の医薬品の睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬等の作用に影響を与え、躁状態、不眠、頭痛、不安などが現れることがあります。

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