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スマホを見るときの姿勢に注意 首に小学生1人分の負荷がかかることも
2014年12月02日

スマートフォンを操作していて、肩こり、首の痛み、痺れなどを感じたことはないだろうか。スマートフォンを見るときに姿勢が悪いと、首に最大で小学生1人分の負荷がかかり、骨や筋肉がいたみやすくなると専門家は指摘している。
姿勢が悪いと首に頭の重さの数倍の負荷がかかる
スマートフォンの操作により首にかかる負荷は、想像以上に大きいことが明らかになった。これは、米ニューヨーク市の脊椎専門のクリニックの外科医長を務めるケネス ハンスラージ氏が解明したもの。
「スマートフォンなどの情報端末は世界中で普及しており、街で人々が操作している姿を普通に見かけます。でも、よく見てみてください。スマホを操作している人々は、頭が下がった姿勢になっていませんか」と、ハンスラージ氏は言う。
成人の頭の重さは約4~6kgあり、頚椎(首の骨)を含む背骨と、首や肩、背中の筋肉がこの重さを支えている。うつむくだけで、頭の重さの数倍の負荷が首にかかるという。
首が前に傾くほど頚椎にかかる負荷は増え、もっとも姿勢が悪いと27kgになる。これは8歳(小学校3年生)の児童の平均体重に相当する負荷だ。
ハンスラージ氏が一般的な体格の人をモデルに解析したところ、首の曲がる角度に比例して、頚椎にかかる負荷は増えていった。首の曲がる角度が15度になると12kg、30度で18kg、45度で22kg、60度では27kgの負荷がかかる。
総務省の研究班の調査によると、日本人が携帯情報端末の操作に使う時間の平均は、1日約47分だという。年間の累積では286時間に上る。その間ずっと、首の後ろに子供を乗せているのと同じ程度の負荷がかかっていることになる。

ストレッチや筋力トレーニングで「ストレートネック」を予防
米国では、頚椎を構成する椎骨が変形する「頸椎症」や、椎骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が痛む「頚椎椎間板ヘルニア」などが増えているという。
パソコンを長時間見ながら仕事をする、椅子に座りながら同じ姿勢で仕事をこなす、携帯電話を操作するといった、うつむいたままの姿勢の状態が続くと、背中の張り、首、肩のこりを感じやすくなる。
猫背の姿勢で操作を続けていると、背骨の正常なカーブが失われ、頭が頚椎より前に突き出す俯き姿勢となり、頭を首の筋肉だけで支える「ストレートネック」と呼ばれる状態に陥りやすい。特にスマートフォンで小さな画面を長時間、同じ姿勢で操作していると、背中の筋肉が緊張し、次第に猫背になっていく。
「7~8年前から首の痛みなどの症状を訴える患者が増えていますが、スマートフォンの普及が影響していると感じています。米国では成人の58%がスマートフォンを所有しています」と、ハンスラージ氏は言う。
ストレートネックを改善するには、正しい姿勢を心がけて筋肉への負担をできるだけ軽くすることや、筋力の強化などが大切だ。首の後ろ側を支える筋肉、肩甲骨や腕の動きに関わる筋肉などをストレッチや筋力トレーニングで動かすことで、筋肉の状態が改善され、痛みが軽減する。
「テクノロジーの発展は歓迎すべきことです。ぜひスマートフォンを楽しんで使って下さい。ただし、操作中に頭が下がらないよう注意してください」とアドバイスしている。

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