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ヨーグルトを食べると糖尿病リスクが低下 1日28g食べると効果的
2014年12月02日
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ヨーグルトを積極的に食べると、2型糖尿病のリスクを低下できるという調査結果が発表された。「食生活の一環にヨーグルトを取り入れることには意味があります」と研究者は述べている。
ヨーグルトを食べると糖尿病リスクが低下
2型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に分泌されなかったり、インスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」という状態に陥ることで発症する。
2型糖尿病の発症には遺伝的な要因も関わっており、家族に糖尿病の体質の人がいると発症リスクが増大すると考えられている。
世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2014年現在で糖尿病有病者数は3億8,670万人(有病率 8.3%)に上る。有効な対策を施さないと、2035年までに5億9,190万に増加すると予測されている。
ヨーグルトを食べることが、糖尿病の発症リスクにどう影響するかを調査したこの研究は、ハーバード公衆衛生大学院栄養学部のフランク フー教授らによるものだ。
研究チームは、米国で行われた大規模調査である「医療従事者追跡研究」(1986~2010年)、「看護師ヘルス研究」(1980~2010年)、「看護師ヘルス研究II」(1991~2009年)に参加した男女を対象に調査した。
解析した人数と年齢はそれぞれ、4万1,436人(40~75歳)、6万7,138人(30~55歳)、8万5,884人(25~42歳)だった。調査期間中に1万5,156人が2型糖尿病を発症した。
それぞれの研究で、参加者に健康状態についてのアンケート調査に回答してもらった。調査は2年ごとに行われ、追跡率は90%を超えた。また乳製品の摂取についての情報を得られなかった参加者については除外した。
分析した結果、ヨーグルトを毎日28g食べていると、2型糖尿病を発症するリスクが18%減少するという結果が得られた。ヨーグルト28gはティースプーン山盛り2杯半分に相当する。
なお、ヨーグルト以外の乳製品では、2型糖尿病発症リスクとのあいだに相関関係はみられなかった。
今回の調査は大規模であり、追跡率が高く、食生活などの生活スタイルについて継続してデータを得られた信頼性の高いものだと研究者は指摘している。
ヨーグルトを食べると不足しがちな栄養を補える
ヨーグルトは安価で、人気の高い食品で、どこでも入手できるという利点がある。なぜヨーグルトが糖尿病のリスクを低下させるのか――
「ヨーグルトには、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの栄養素や、乳清などの栄養成分が含まれます」と、フー教授は言う。
このうち「乳清」(ホエイ)は乳酸菌発酵液のことで、ヨーグルトやチーズを作るときにできる副産物だ。
炭水化物の摂取前に乳清を摂取すると、インスリン分泌を刺激する消化管ホルモンである「グルカゴン様ペプチド-1」(GLP-1)の分泌が刺激され、食後の血糖値の上昇を抑えやすくなることが、過去の研究で確かめられている。
「バランスの良くない食事を続けていると、こうした栄養は不足しがちになりますが、ヨーグルトを食べることで不足を補うことができます」と、研究者は指摘している。
また、ヨーグルトは体に良い影響を与える「プロバイオティクス」を含んでおり、整腸作用があるのに加え、腸内の有害物質の産生を抑え、血中コレステロールを減少させる効果がある。
ヨーグルトのこうした効果が、2型糖尿病のリスクを低下すると考えられている。ただし、いずれの成分に効果があるのかは分からないので、「今後、ランダム化された比較対照試験が必要となる」としている。
Yogurt may reduce type 2 diabetes risk(ハーバード公衆衛生大学院 2014年11月25日)Dairy consumption and risk of type 2 diabetes: 3 cohorts of US adults and an updated meta-analysis(BMC Medicine 2014年11月25日)
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