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死傷災害で目標達成にほど遠く~平成28年労働災害発生状況
2017年05月22日
厚生労働省がこのほど公表した平成28年の労働災害発生状況によると、死亡災害の発生件数は前年を下回って2年連続過去最少だったものの、休業4日以上の死傷災害の発生件数は前年を上回ったことが分かった。労働災害減少にむけて重点的に取り組む「第12次労働災害防止計画」では死亡災害と死傷災害で15%以上の減少を目標としているが、死傷災害については相当の取り組みがなければ目標達成が難しいことが明らかになった。
平成28年の労働災害発生状況では、死亡災害は前年比44人減の928人。平成27年に初めて1,000人を下回って以来、2年連続で過去最少となった。業種別に見ると、陸上貨物運送事業が99人で前年比約2割減、建設業が294人で前年比約1割減だった。
一方、休業4日以上の死傷災害は、前年に比べて1,599人増の117,910人。業種別に見ると建設業では減少しているが、小売業で前年比414人増加するなどしている。
事故の型別を見ると、死亡災害で最も多かったのは「墜落・転落」(232人)、次いで「交通事故」(218人)、「はさまれ・巻き込まれ」(132人)だった。
死傷災害では、つまずきなどによる「転倒」(27,152人)が最も多く、高所からの「墜落・転落」(20,094人)、腰痛などの「動作の反動・無理な動作」(15,081人)が続いている。
第12次労働災害防止計画では、平成29年までに労働災害による死亡者数、休業4日以上の死傷者数を平成24年比で15%以上減少させるとしている。死亡災害は15.1%減少しており、目標を達成できているが、休業4日以上の死傷災害はわずか1.4%減少にとどまっている。これは社会福祉施設で27.8%増、飲食店で9.5%増など業種によって大幅な増加が見られるため。
労働災害発生状況の分析によると、小売業や社会福祉施設、飲食店では、複数の店舗や施設を展開する法人傘下の事業場での災害が多く見られることが明らかになっている。これらの店舗や施設では安全衛生担当者が不在といった脆弱な体制が要因になっており、本社や本部の主導で自主的な安全衛生活動の促進を図ることが求められている。
平成28年の労働災害発生状況を公表(厚生労働省)
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