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乳がん検診の新技術を開発 痛みを伴わず高い精度で腫瘍をスキャン

 乳がん検診のとき痛みを伴わず、高い精度で腫瘍をみつけられる技術を開発したと、日立製作所が発表した。
放射線被ばくや痛みを伴わない、安全な検査
 日立製作所は、乳がん検診を簡便・無痛・高精度な実現する超音波計測技術を開発したと発表した。この技術は、360度の方向から超音波を照射し、音波の反射を360度の方向から取得するリング状の超音波デバイスを用いて自動スキャンを行うというもの。

 受診者はうつぶせになり、水を満たした検査容器に乳房を入れるだけで検査をでき。放射線被ばくや痛みを伴わない、安全な検査だという。この技術によって、検査者の熟練度に依存しないで微小な腫瘍を検出できる。
乳がん検診装置の模型と試作機の構造
 また、取得した音波の速度などをもとに、腫瘍のさまざまな特性(硬さ、粘性、表面の粗さ)を計測可能なことに加え、乳腺内の微小石灰化も可視化できるため、検診の精度を向上できるという。実験では今回、イヌの臨床腫瘍を用いて5mmの微小な腫瘍の検出に成功した。

超音波計測によるイヌ腫瘍の検出
 2017年4月からは、北海道大学病院と共同で、ヒトの臨床腫瘍を用いた研究を開始しており、この技術を用いた乳がん検診装置の実用化を目指すという。

 乳がんは世界の女性のがん罹患数の第1位であり、治療には早期発見が重要だ。現在、乳がん検診はマンモグラフィや超音波により行われているが、マンモグラフィ検診では微量の放射線被ばくや痛みを伴うほか、若年層やアジア人に多い高濃度乳腺の場合に、腫瘍の検出感度が低いことが課題となっている。超音波検診にも、検査者の熟練度により腫瘍の検出感度が異なるという課題がある。

 同社が、開発した技術の特長は以下の通り。

1. 360度の方向から超音波を照射し、腫瘍表面の粗さなどを計測できる

 従来の超音波検診では、1方向から照射した超音波に対して、後方(照射源の方向)に反射した音波のみを取得していたが、今回360度の方向から超音波を照射し、前方や側方を含む360度の方向に反射する音波を取得・解析する技術を開発した。この技術は、音波の反射方向とその強度などを分析することにより、腫瘍の硬さ、粘性、表面の粗さを計測可能で、また、超音波では難しいとされる乳腺内の微小石灰化も可視化も可能できる。

2. 超音波デバイスと乳房を容器で分離しても、正常に検査できる

 従来の超音波検診では超音波デバイス(プローブ)にエコーゼリーを塗り乳房に押し当てていたが、この技術では、超音波を効率的に乳房に伝搬させるためにリング状の超音波デバイスと乳房の間を水で満たす。そのため、複数の受診者が同じデバイスで検診を受けた場合、付着したウイルスなどから受診者間での病気感染のリスクが考えられる。そこで、超音波デバイスと乳房を容器で分離する構造にするとともに、容器が超音波の伝搬に与えてしまう影響を計測結果に反映することができる、超音波計測技術を開発した。これにより消毒・殺菌の時間を短縮するとともに、安全で衛生的な検診が可能になる。

 研究の成果は、5月26日~28日に宇都宮市で開催される「日本超音波医学会第90回学術集会」で発表される予定。
[Terahata]
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