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「ドライアイ」を自己チェック まばたきを12秒間我慢できないと要注意
2018年10月24日
まばたきをできるだけ我慢できる時間(最大開瞼時間)を測ることが、「ドライアイ」の簡易なスクリーニング検査になる可能性があるという研究を、順天堂大学が発表した。
最大開瞼時間が12.4秒以下であると、ドライアイの可能性が高いので、眼科を受診した方が良いという。無料のアプリも提供し、ドライアイの早期発見を呼びかけ啓発している。
最大開瞼時間が12.4秒以下であると、ドライアイの可能性が高いので、眼科を受診した方が良いという。無料のアプリも提供し、ドライアイの早期発見を呼びかけ啓発している。
ドライアイは生活の質や生産性を低下させる
ドライアイは、涙の不足などが原因で目の表面に傷や障害などが生じる病気。もっとも一般的な眼科疾患で、有病者数は日本では2,200万人、世界では10億人以上と推測されている。
ドライアイの有病者数は多いが、診断を受けて治療を受けているのはごく一部だ。加齢やストレス、デジタル機器の使用時間の増加などを背景に、ドライアイは現代病として今後も増加するとみられている。
ドライアイの症状は、眼精疲労、眼痛、頭痛、自覚視力の低下、肩こりなどで、QOL(生活の質)を下げ、生産性を下げる原因となっている。
ドライアイの診断基準は2016年に改訂され、診断項目として、眼の不快感や視機能異常といった自覚症状と、「涙液層破壊時間(目を開いてから目の表面の涙の膜が破壊されるまでの時間)」が5秒以下であることが採用された。
今回の研究は、順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科の村上晶教授、猪俣武範助教らの研究グループによるもので、詳細は「Scientific Reports」に発表された。
まばたきを我慢できる時間が12秒以下だとドライアイの疑いが
研究グループは、「最大開瞼時間(まばたきをできるだけ我慢できる時間)」がドライアイのスクリーニング検査としての有用ではないかと考え、また新しい診断基準でのカットオフ値の設定のため、検証を行った。
その結果、最大開瞼時間は涙液層破壊時間と相関があり、ドライアイ患者では有意に低下していることが明らかになった。
最大開瞼時間が12.4秒以下の場合は、感度82.5%、特異度51.0%になり、ドライアイが疑われるという。
研究では、最大開瞼時間がドライアイ診断での簡易なスクリーニング検査として有用であり、セルフチェックの指標にもなることが示された。
眼の乾きや疲れなどの症状で苦しむ人は、最大開瞼時間を用いてセルフチェックできるようになるという。
ドライアイの治療では、涙液層の安定性を低下させている眼表面の不足成分を点眼によって補充する。早期に発見できれば、眼科を受診し必要な治療を早く受けられ、ドライアイの重症化を防ぐことができる。
「ドライアイ指数」を計測するアプリを提供
順天堂大学は、ドライアイや眼精疲労といった症状と生活習慣の関連性を明らかにするため、世界初のアプリケーション「ドライアイリズム」を2016年11月にリリースした。
このアプリでは、実用視力、まばたき回数の測定、ドライアイ質問紙票(OSDI)を用いてドライアイ指数を計測する。
日々のストレス、睡眠時間、VDT作業時間、便の回数、水分摂取量などを記録することで、ドライアイとの相関性を確認することもできる。
さらに、1週間連続して入力することで、生活習慣とドライアイの関連性をより理解することができる。
研究グループは今回の研究をもとに、「ドライアイリズム」のまばたき測定機能の向上を検討している。
これにより、同アプリに搭載されているドライアイ疾患特異的質問紙票と組み合わせて、より感度の高いドライアイのスクリーニングをできるようになるという。
ドライアイリズム順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科
Maximum blink interval is associated with tear film breakup time: A new simple, screening test for dry eye disease(Scientific Reports 2018年9月7日)
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