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生涯でがんに罹患する確率は男性62%、女性47%~最新がん統計
2018年10月31日
国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターが運営する「がん情報サービス」はこのほど、「最新がん統計」と「2018年のがん統計予測」のデータを更新した。
日本のがん統計は、罹患データについては4~5年、死亡データについては1~2年遅れて公表されている。そのため最新がん統計として、2016年の死亡データと2014年の罹患データがまとめられた。
また、諸外国では数学的な手法を用いて、現時点でのがん統計を予測する試み(短期予測)が実施されており、同様に日本のデータを用いた「2018年のがん統計予測」も公表された。
日本のがん統計は、罹患データについては4~5年、死亡データについては1~2年遅れて公表されている。そのため最新がん統計として、2016年の死亡データと2014年の罹患データがまとめられた。
また、諸外国では数学的な手法を用いて、現時点でのがん統計を予測する試み(短期予測)が実施されており、同様に日本のデータを用いた「2018年のがん統計予測」も公表された。
がんで死亡する確率は、男性は4人に1人、女性は6人に1人
2016年にがんで死亡した人は372,986人(男性219,785人、女性153,201人)。
部位別にみると、男性は1位が「肺」、2位が「胃」、3位が「大腸」。年齢別にみると40歳以上の男性は、消化器系(胃、大腸、肝臓)の死亡が多くを占めるが、70歳以上ではその割合がやや減少し、肺がんと前立腺がんの割合が増加していた。
一方、女性のがん死亡者数を部位別にみると、1位が「大腸」、2位が「肺」、3位が「膵臓」となった。40歳代では乳がん、子宮がん、卵巣がんの死亡が多くを占めるが、高齢になるほどその割合が減少し、消化器系(胃、大腸、肝臓)と肺がんの割合が増加する結果となった。
がんの死亡率は男女ともおよそ60歳代から増加し、高齢になるほど高くなるが、特に男性が女性より顕著に高かった。また、生涯でがんによって死亡する確率は、男性25%(4人に1人)、女性16%(6人に1人)だった。
女性のがん罹患1位は「乳房」
2014年のがん罹患(新たにがんと診断されること、全国合計値)のデータを部位別にみると、男性は1位が「胃」、2位が「肺」、3位が「大腸」。女性は1位が「乳房」、2位が「大腸」、3位が「胃」だった。
2014年のがんの罹患率(人口10万人あたり、全国合計値)は男性810.6、女性558.0。口腔・咽頭、食道、胃、肝臓、喉頭、肺、膀胱、腎臓などで男性の罹患率が女性より高い。逆に、甲状腺は女性の罹患率が男性より高かった。
年齢による変化を見ると、男女とも50歳代ぐらいから増加し、高齢になるほど高いことが分かった。中でも、30歳代後半から40歳代では女性が男性よりやや高く、60歳代以降は男性が女性より顕著に高かった。
また、生涯でがんに罹患する確率は、男性62%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)となった。
5年相対生存率は男女合計で62.1%
「5年相対生存率」は、あるがんと診断された人のうち、5年後に生存している人の割合を、日本人全体で5年後に生存している人の割合と比較して、どれぐらい低いかで表したもので、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標になる。
つまり、100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味している。
今回公表された「5年相対生存率」(2006年から2008年にがんと診断された人)は、男女合計で62.1%(男性59.1%、女性66.0%)。
部位別では皮膚、乳房(女性)、子宮、前立腺、甲状腺が高かったが、食道、肝臓、肺、胆のう・胆管、膵臓、脳・中枢神経系、多発性骨髄腫、白血病は低かった。
また診断から一定年数後生存している者(サバイバー)の、その後の5年生存率を見ると、胃、大腸(結腸および直腸)、膵臓、肺がんでは診断からの年数が経過するにつれて5年相対生存率は高かった。比較的生存率が低い膵臓がんや肺がんでも、診断から5年後サバイバーの5年相対生存率は80%近いことが明らかになった。一方、肝臓がんでは診断から5年後サバイバーの5年相対生存率は40%程度にとどまった。
2018年のがん罹患数と死亡数予測
諸外国では数学的な手法を用いて、現時点でのがん統計を予測する試み(短期予測)が実施されており、日本でも2018年のがん罹患数予測と死亡数予測の結果を公表している。
それによると、2018年のがん罹患数予測は約1,013,600例 (男性574,800例、女性438,700例)。部位別に多い順を見ると、2017年のがん統計予測(大腸、胃、肺、女性乳房、前立腺)と比べ、順位の変化はなかった。
またがん死亡数予測では男女計 379,900人 (男性223,000人、女性157,000人)。部位別にみると、2017年のがん統計予測と同じで肺、大腸、胃、膵臓、肝臓の順に多かった。
・最新がん統計(国立がん研究センター がん情報サービス)
・2018年のがん統計予測(国立がん研究センター がん情報サービス)
記事中の図は「最新がん統計(国立がん研究センター がん情報サービス)」より転載。
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