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現役世代への負担増は限界 保険料率30%時代の到来 健保連が「2022年危機」と改革訴え

 健康保険組合連合会(健保連)は、大企業の会社員などが入る健康保険組合で、2022年度にも医療・介護・年金を合わせた社会保険料率がはじめて30%を超えるとの推計を発表した。
迫る「保険料率30%時代」の到来
 高齢者の医療費や介護費を支えるため、現役世代が負担する額は増えている。

 団塊の世代が75歳に到達しはじめる2022年から、現役世代の高齢者医療のための拠出金負担がさらに急増する。健保連はこれを「2022年危機」と位置づけ、政府に改革を求めている。

 試算によると、2022年度に全国約1,400の健康保険組合の健康保険料率は平均で9.8%と2019年度比で0.6ポイント増加する。介護保険料率は2.0%で0.4ポイントの増加だ。

 これに段階的な引き上げが2017年9月に終了した厚生年金の保険料率18.3%を足すと、保険料率は30.1%(1.0ポイント増)になる。

 2025年度には健康保険料率は平均で10.4%、介護保険料率は2.3%に上昇し、保険料率は31.0%になると予測している。

 健保連は「2022年危機」について「現役世代への負担増はもう限界。医療保険制度全体の財政悪化も急速に進む」として危機感を募らせている。

後期高齢者の原則2割負担を要望
 そこで健保連は、「低所得者に配慮しつつ、75歳に到達した人から順次2割負担とすべき」と提案している。

 「1割負担の人もできるだけ早く段階的に2割負担とすべき」「中長期的には年齢に関わらず負担能力に応じた患者負担割合のさらなる見直しに向けて検討すべき」と主張している。

 75歳から79歳まで毎年1歳ずつ2割負担の範囲を引き上げた場合、患者の自己負担は年平均で700億円増え、公費負担が逆に800億円減るという。

 また、後期高齢者医療制度の財源構成は、本来は公費50%だが、現役並み所得者の給付費には公費が入らないため、公費は全体で47%にとどまっている。その分(約4,500億円)が現役世代の負担になっている。

 健保連は「高齢者医療費の負担構造改革を実現し、世代間、世代内の給付と負担のアンバランスを是正するとともに、必要な公費の拡充を通じて、現役世代の負担軽減をはかるべき」と主張。

 政府は、来年の骨太方針2020で、給付と負担の見直しを含む改革に向けた重点政策をとりまとめる方針。

 健保連は、2022年以降も続く高齢化、現役世代の急激な減少などの見通しをふまえ、「支える側」の拡大、給付と負担のさらなる見直しなど、国民皆保険制度を持続可能にするための改革に継続的に取り組んでいくよう求める方針だ。
市販薬で代替可能なケースは公的保険適用の対象外に
 健保連は医療費抑制のため、市販薬で代替可能なケースは公的保険適用の対象外とすべきだとの提言もまとめた。

 健保連に、2013年10月~2014年9月診療分の医科外来レセプト7,732万件および調剤レセプト4,790万件をもとに分析した。

 その結果、市販薬が存在する主な医療用医薬品(430種類)の外来における薬剤費は8,410億円となり、このうち市販薬によるセルフメディケーションへ誘導可能と考えられる部分は2,126億円だった。

 現時点で市販薬は販売されていないが、OTC候補薬として挙げられている医療用医薬品15品目の外来における薬剤費をレセプトの外来処方額から全国推計すると2,064億円だった。

 たとえば医療機関を受診して処方される花粉症薬のうち、同じような効果の市販薬で代替できる薬を公的医療保険の対象外にすると、薬剤費を年597億円削減できることが明らかになった。

 窓口負担3割の患者が医療機関を受診して処方された場合、自己負担以外の7割は公的保険で賄われるが、自己負担額は全額自己負担となる市販薬の代金と大差はないと分析。

 これをふまえ健保連は、医療費抑制のため、市販薬で代替可能なケースは「保険適用からの除外や自己負担率の引き上げを進めるべき」とする提言をまとめた。
医師会は反対を表明「国民皆保険が崩壊しかねない」
 健保連の提言について、日本医師会(日医)は記者会見を行い、「そもそもレセプト分析だけでは診療行為の理由や背景が不明。(略)医療上必要な医薬品は保険対象とされるべきだ」と主張。

 「経済的弱者などに適切な医療が提供されなくなるなど、国民皆保険が崩壊することにもなりかねない」と指摘している。

 「目指しているのは、患者さんが早期に医療機関を受診した際、かかりつけ医がしっかり診て個々の症状に合わせた適切な指導や処方を行い、必要な疾病管理をして、患者さんの健康を守ることにある。そのことが、ひいては無駄な医療費の削減にもつながるはずである」との立場を強調している。

健康保険組合連合会(健保連)
[Terahata]

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