オピニオン/保健指導あれこれ
保健指導サービスの質の管理 ~選ばれる健診機関であり続けるために~

No.3 質の管理に必要な目標とPDCAをまわすための仕組みと実践

聖隷福祉事業団 保健事業部 看護部長 看護師・産業カウンセラー
鳥羽山 睦子
 3. 保健指導サービス品質管理のための内部監査


 内部監査はマネジメントシステムの中で最も強力な改善ツールです。

 組織の中で専門職以外のスタッフも含めた監査員チームを結成後、監査員教育を実施し当日に備えます。

 内部監査は一日がかりで、各部門の責任者・新人や中堅の専門職・契約担当者に対するインタビューとフィールドチェックによる現状確認を行っています。

 インタビューでは、どのような教育を受け何を学んだかなどを質問し、マニュアルや計画に基づいて実行できているか、ルールは守られているかなど確認します。

 監査結果は、マニュアルの完成度、活動の有効性、特記すべき観察事項、他の組織で参考になる推奨事項を含む良好事項、要改善事項などに整理され、内部監査報告書として報告されます。指摘事項に基づいて品質改善計画(図3)を立てることで改善を促し、課題に取り組むPDCAをまわすことに結びついています。(表2)

 内部監査は組織全体を巻き込むことによって、専門職以外の職員にも保健指導の意義を認識してもらう良い機会となっています。


図3 品質改善計画の例

表2 内部監査の効果例

 まとめ

 保健指導品質管理システムを導入したことで、利用者、保健指導実践者、組織に対し様々な効果を得ることができました。

 顧客ニーズに対応し、「選ばれる健診機関であり続けるために」は、保健指導サービスの質の向上を目指し変化していくことが必要です。品質管理において最も重要なことは、組織として提供するサービスの質の管理と保健指導実践者のスキルアップをはじめとした人材育成です。これらについて日々小さなPDCAをまわしながら、目標達成に向けた組織レベルの大きなPDCAをスパイラルアップし、改善、信頼される組織であり続けたいと考えます。

 今後も一対一の関係性を大切に、一人でも多くの人々の健康を守るために愛と情熱を持って挑戦していきたい。

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