オピニオン/保健指導あれこれ
産業保健

高齢者の特性に配慮した「エイジフレンドリー職場」を目指して

日本産業衛生学会エイジマネジメント研究会

 現在、わが国においては、少子高齢化の進展に伴い、生涯現役社会の実現が求められており、高年齢労働者のこれまでに蓄積した知識や経験等を活かし、積極的に活躍できる機会を提供して、戦力として活用できるようにすることが必要な時代になっています。

 このような中で高年齢労働者の労働災害は、全体の約半数を占め、若年者に比べて労働災害の発生率が高くなっているなど、防止に向けての取り組みが喫緊の課題となっています。[1]

 高年齢労働者の労働災害の発生には、加齢に伴う身体・精神機能の低下が影響を与えています。高年齢労働者の労働災害防止のためには、そうした視点を踏まえた労働災害発生のリスク低減対策がポイントとなっており、高齢者の特性に配慮した職場=エイジフレンドリー職場を目指すことが、企業に求められています。

 本連載では高年齢労働者と企業が直面している状況の解説と、「エイジフレンドリー職場」を実現するうえで留意しなければならないことを紹介します。

参考文献
[1]中央労働災害防止協会「エイジアクション100(改訂版)」

プロフィール

  • 日本産業衛生学会エイジマネジメント研究会
  • 日本産業衛生学会エイジマネジメント研究会

     エイジマネジメント研究会は、エイジマネジメントに関する学術研究とその実務の振興を目的に日本の高齢労働研究の泰斗である産業医科大学名誉教授神代雅晴先生を中心として(公社)日本産業衛生学会の中に2008年設立されました。構成メンバーは現在140名程度で職種も多岐にわたっています。

     エイジマネジメントとは、「労働の場における加齢と健康に関する課題や世代ごとの特徴に合わせた産業保健活動を行うこと」を意味し、高年齢労働者が暦年齢を意識することなくいきいきと働き続けるための健康管理の在り方や労務管理の在り方の発展、労働適応能力などの研究を通しての高齢労働市場と高齢労働者の雇用機会の拡大促進などを目的として活動しています。直近では、順天堂大学(スポーツ健康科学部)山田泰行先生による特別講演「テレワーク時代におけるエイジマネジメント」などを開催(2021年11月14日)いたしました。

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