オピニオン/保健指導あれこれ
働く人の感染症予防と感染症BCP(※2018年12月最終更新)
No.2 職場におけるインフルエンザ対策について
2018年12月06日
新型インフルエンザにより従業員の最大40%程度が欠勤
通常のインフルエンザはインフルエンザウイルスに感染して起こる病気です。この季節性のインフルエンザはある程度人と共存しており、通常の働く世代の感染による致死率は 0.1%以下です。特に注意が必要とされている新型インフルエンザは未確定な事項が多いことや致死率が高いことからより周到な予防や警戒が必要です。
過去のデータから推計すると、新型インフルエンザが流行した場合、地域差や業態による差があるものの、従業員本人や家族の発症等により、従業員の最大40%程度が欠勤することが想定されています。新型を含むインフルエンザの流行によって、どの事業所でも、従業員等に感染者が発生することが予測されます。
従業員の人命を優先し、感染拡大を防ぐために、発生時には計画に基づいて冷静に行動するためには、インフルエンザを想定した事業継続計画を予め策定・準備が社員の健康に関わる保健師や人事・労務部などに求められています。
具体的な対策としては、職場内に同時にいる従業員を減らす(フレックスタイム制など)、対面による会議を避け、電話会議やビデオ会議を利用などが考えられます。(参考:事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン/厚生労働省 )
流行前に何をするべきか?最新情報にアンテナを!
インフルエンザ流行前に、専門職や人事総務部が正確なインフルエンザ情報を得ること、それを社員へ正しく伝えること(社員へのインフルエンザ情報提供)で、感染拡大による会社への影響をできる限り防ぎましょう。インフルエンザ流行情報や新型インフルエンザ等対策行動計画は厚生労働省や各自治体から公開されています。情報だけえなく具体的なマニュアルも掲載されています。
<総合・流行情報>
・インフルエンザ(総合ページ)(厚生労働省) ・全国インフルエンザ流行レベルマップ (国立感染症研究所) ・インフルエンザの流行状況(東京都 2018-2019年シーズン)<ガイドライン・マニュアルなど>
・事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(厚生労働省) ・千葉県新型インフルエンザ等対策行動計画/対応マニュアルなど<外国人の社員向けにはこちらがおすすめ>
・新型インフルエンザ対策多言語パンフレット 日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、スペイン語に対応しています。予防対策から医療機関の受診方法まで説明があります。
家庭での感染拡大予防の啓発も大切。
社員本人がインフルエンザではなくても、家族の状況(年少の子どもや要介護の家族など)による欠勤可能性もあります。また、社員がインフルエンザに感染するのは、職場とは限りません。各家庭で感染することもあるため、家族が感染した場合の看病についての情報共有も有効です。インフルエンザ発生時の介護者への注意事項はあまり知られていませんので、注意喚起をよろしくお願いいたします。
参考:家庭でインフルエンザ患者を看護するときの注意点(PDF:1,094KB/東京都福祉保健局)
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