「平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表」
「平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表」
(厚生労働省/2016年6月24日)
厚生労働省は24日、平成27年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめ公表した。厚生労働省では、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況について、平成14年から、労災請求件数や、「業務上疾病」と認定し労災保険給付を決定した支給決定件数などを年1回、取りまとめている。
【ポイント】
■1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
(1)請求件数は795件で、前年度比32件の増となった。
(2)支給決定件数は251件で前年度比26件の減となり、うち死亡件数も前年度比25件減の96件であった。
(3)業種別(大分類)では、請求件数は「運輸業,郵便業」181件、「卸売業,小売業」116件、「建設業」111件の順で多く、支給決定件数は「運輸業,郵便業」96件、「卸売業,小売業」35件、「製造業」34件の順に多い。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「運輸業,郵便業」の「道路貨物運送業」133件、82件が最多。
(4)職種別(大分類)では、請求件数は「輸送・機械運転従事者」161件、「専門的・技術的職業従事者」118件、「販売従事者」95件の順で多く、支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」88件、「販売従事者」34件、「専門的・技術的職業従事者」33件の順に多い。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「輸送・機械運転従事者」の「自動車運転従事者」153件、87件が最多。
(5)年齢別では、請求件数は「50~59歳」263件、「60歳以上」233件、「40?49歳」198件の順で多く、支給決定件数は「50~59歳」91件、「40~49歳」80件、「60歳以上」38件の順に多い。
(6)1か月平均の時間外労働時間数別支給決定件数は、「80時間以上?100時間未満」105件で最も多く、「100時間以上」の合計件数は120件であった。
■2 精神障害に関する事案の労災補償状況
(1)請求件数は1,515件で、前年度比59件の増となり、うち未遂を含む自殺件数は前年度比14件減の199件であった。
(2)支給決定件数は472件で前年度比25件の減となり、うち未遂を含む自殺の件数も前年度比6件減の93件であった。
(3)業種別(大分類)では、請求件数は「製造業」262件、「医療,福祉」254件、「卸売業,小売業」223件の順に多く、支給決定件数は「製造業」71件、「卸売業,小売業」65件、「運輸業,郵便業」57件の順に多い。
中分類では、請求件数は「医療,福祉」の「社会保険・社会福祉・介護事業」157件、支給決定件数は「運輸業,郵便業」の「道路貨物運送業」36件が最多。
(4)職種別(大分類)では、請求件数は「事務従事者」362件、「専門的・技術的職業従事者」325件、「サービス職業従事者」183件の順に多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」114件、「事務従事者」93件、「サービス職業従事者」53件の順に多い。中分類では、請求件数、支給決定件数ともに「事務従事者」の「一般事務従事者」241件、61件が最多。
(5)年齢別では、請求件数は「40~49歳」459件、「30~39歳」419件、「50?59歳」287件、支給決定件数は「40~49歳」147件、「30~39歳」137件、「20~29歳」87件の順に多い。
(6)1か月平均の時間外労働時間数別支給決定件数は、「20時間未満」86件で最も多く、「80時間以上~100時間未満」20件、「100時間以上」の合計件数は172件であった。
(7)出来事別の支給決定件数は、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」75件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」60件の順に多い。
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