-薬・サプリとセルフメディケーション-
③「トローチ」を噛まずに口の中で溶かす理由
本連載では「大人」でも意外と知らない「薬」の知識やセルフメディケーションの基本を、加藤哲太先生(日本くすり教育研究所 代表理事)にご解説いただきます。
保健指導や健康だよりで取り上げたい「薬」の話題を隔月ペースで紹介しますので、ぜひご自身の学習、業務での情報発信にご活用ください。
「トローチ」は噛まずにゆっくり溶かしましょう
「トローチ」は、唾液によって徐々に溶解することで、口腔や咽頭などの粘膜に殺菌や収斂作用などを示す薬です。噛み砕いたり、飲み込んだりすると効果がなくなってしまうので、できるだけ長く口の中に含んで溶かしてください。よく「早く効かせるために噛み砕く」という方がいらっしゃいますが、薬本来の効果を発揮しなくなるためNGです。
今回は、そんなトローチを含む、口腔内で吸収されたり効果を発揮したりする製剤「口腔用錠剤」を取り上げます。
錠剤にはさまざまな工夫がされています。それぞれの特徴を理解し、正しく服用することが薬を有効に、安全に利用するために大切なことです。
「口腔用錠剤」とは?
日本薬局方*では、錠剤を、経口投与して消化管で吸収されたり効果を発揮する製剤「錠剤」、口腔内で吸収されたり効果を発揮する製剤「口腔用錠剤」および膣に適用する製剤「膣錠」の3つに分類しています。
「口腔用錠剤」には、トローチ錠、舌下錠、バッカル錠などが含まれます。
日本薬局方 錠剤の分類
1. 経口投与する製剤「錠剤」
腔内崩壊錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠 が含まれる
2. 口腔内に適用する製剤「口腔用錠剤」
トローチ錠、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム錠 が含まれる
3. 膣に適用する製剤「膣錠」
*日本薬局方:日本国内で医療に供する重要な医薬品について、その性状および品質の適正をはかるため、品質・純度・強度の基準を定めた公定書。
最新ニュース
- 2025年06月24日
- 保健指導にも利用できる「プチ瞑想実践ガイド」を公開 心の安定や集中力の向上などを期待 東京都健康長寿医療センター
- 2025年06月23日
- ウォーキングなどの運動で認知症を予防 軽めの運動でも十分な効果 中年期に運動不足だと脳の健康に悪い影響が
- 2025年06月23日
- 昼寝が高血圧・心臓病・脳卒中のリスクを減少 ただし長時間の昼寝は逆効果 規則的な睡眠スケジュールが大切
- 2025年06月23日
- 「睡眠不足」と「不健康な食事」が職場のメンタルヘルスに影響 日本の企業のワーク・ライフ・バランス向上のための取り組み
- 2025年06月17日
- 【慢性腎臓病(CKD)に対策】産官学民の協働でCKD対策を推進 自治体の取組事例なども紹介 日本医療政策機構