トピックス・レポート
働く人に伝えたい!薬との付き合い方
-薬・サプリとセルフメディケーション-
-薬・サプリとセルフメディケーション-
④くすりの旅:薬効を示すのは飲んだ薬の一部!
2023年05月01日
子供や高齢者は薬の量を減らさなければならないのは、なぜ?
子供ではCYPの量は少なく、薬を十分に代謝するのが難しい場合もあります。年をとると酵素活性が低下する[1]ので、子供と同様、高齢者も成人のようにはうまく薬を代謝できません。
したがって、同量の薬を飲んだ場合には、子供や老人では患部へ運ばれる薬の量(血中濃度)が多すぎることになってしまいます(図2)。このため、子供や高齢者は、体重あたりの投与量を成人よりも少なくする必要があります。
図2 子供や老人は薬が効きすぎる
肝臓の細胞における酵素量は、成人(3つ)に比べて子供や老人では少ない(2つ)ため、血液へ戻る薬の量が、成人より多くなる。
喫煙者は薬が効きにくい理由
タバコの煙の中に含まれるベンツピレンなどは肝臓のCYPを活性化する(量を増やす)ことが知られています。その結果、喘息の薬やうつ病の薬などの場合、その血中濃度が減少し、薬の効果を減弱することが指摘されています。
喫煙によるCYP増加のため、薬の効果を十分に発揮するためには、非喫煙者の1.5~2倍の用量が必要となること等が報告されています。
図3 喫煙者は薬が効きにくい
非喫煙者の酵素(3つ)に比べ、喫煙者では酵素量(4つ)は増加するため、血液へ戻る薬の量が、非喫煙者より少なくなる(薬が効かなくなる)。
[1]「高齢者の加齢による肝臓の薬物処理能力の変化を初めて明確に 臓器の重量と血流量に比例して40歳から年に0.8%低下」(千葉大学)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.
最新ニュース
- 2025年01月20日
- 大腸がんが50歳未満の若い人でも増加 肥満のある人は大腸がんリスクが高い 予防に役立つ3つの食品とは?
- 2025年01月20日
- 高齢者の要介護化リスクを簡単な3つの体力テストで予測 体力を維持・向上するための保健指導や支援で活用
- 2025年01月20日
- 楽しい食事は骨粗鬆症の予防・改善に効果的 食事の「楽しみ」や「充足感」は大切 タンパク質をとることも
- 2025年01月20日
- ウォーキングなどの運動が肥満・高血圧などの慢性疾患のリスクを減少 座ったままの時間を減らして運動に置き換え
- 2025年01月15日
- 「新しい認知症観」普及へ 希望を持って自分らしく暮らせる社会に『認知症施策推進基本計画』閣議決定