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長時間座わると足の血管に悪影響 5分間のウォーキングで解消
2014年09月19日

ウォーキングを1時間ごとに5分間行うと、長時間の座位による足の血管への悪影響を取り消すことができる。「座ったまま過ごす時間が長い場合は、ときどき立ち上がって足を動かすと効果的です」と、研究者はアドバイスしている。
「座ったまま足を動かさずに過ごす時間が1時間を超えると、血流が悪くなり、血管の内表面を構成する内皮に悪い影響が出てきます。休憩をとり、5分だけウォーキングをして足を動かすだけで、この悪影響を取り除くことができます」と、米オレゴン・ヘルス&サイエンス大学のサウラブ ゾーサー氏は言う。
ウォーキングで得られる最大の効果は血流の改善
ウォーキングで得られる効果として大きいのは、血液の循環の促進だ。体内では、心臓から酸素の多い血液が、動脈を通って全身に送られるが、心臓から一番遠い足には、重力に逆らって血液を運ばなければならない。
足を動かすと血流が促進されることから、「足は第2の心臓」といわれる。ウォーキングによる有酸素運動により、血液が心臓へ送り返されるのが促され、身体のすみずみに酸素が行き渡り、基礎代謝が高まる。
しかし、座ったままの姿勢が長く続くと、足のポンプ機能は働かなくなり、心臓に向かって流れる血流は停滞する。
また、座位の時間が長いと、血液自体の重量が静脈内にかかるため、静脈圧(静脈内の圧力)が上昇し、静脈が拡張した状態となり、血液は下肢にたまりやすくなる。
1時間ごとの5分のウォーキングが血管のダメージを回復
研究チームは、20歳~35歳の男性11人を対象に、2つの実験を行った。ひとつめの実験では、被験者に足を動かさずに3時間座り続けてもらい、血圧計と超音波による検査で大腿部の血管の内皮機能を測定した。
次に、座っている間に5分間の休憩をとり、ルームランナーで歩いてもらった。座りはじめてから30分後、1.5時間半後、2.5時間後にそれぞれウォーキングを行ってもらい、大腿部の血管にどのような変化が出るかを調べた。
その結果、長時間座りっぱなしでいると、足を流れる血液はうっ血し始め、座りはじめてから1時間後に、動脈の拡張が50%も損なわれることが判明した。
しかし、30分、もしくは1時間ごとに5分間のウォーキングを取り入れると、足の動脈へのダメージを十分に回復できることが明らかになった。
ウォーキングは脳の健康にも良い
「ウォーキングは足の血流を増やします。座位中心の生活を送っている人は、1時間ごとに立ち上がり、ウォーキングをした方が良いのです」と、ゾーサー氏は言う。
現代人の生活は、仕事中も家庭でも座位の時間が長いのが特徴で、米国人は1日8時間以上を座ったまま過ごしているという。家に帰ってからもソファーに座ったままで、連絡をスマートフォンやインターネットで済ませるだけの生活は健康に悪い。
「ウォーキングを行うと、脳に酸素が十分に供給されるようになり、血中のグルコースや脂肪酸がエネルギーとして使われるようになり、肥満の予防にもつながります」と、ゾーサー氏は指摘している。
Short walking breaks found to reverse negative effects of prolonged sitting(インディアナ大学 2014年9月8日)
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