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人生に目的意識をもつ高齢者の脳は健康 前向きの気持ちが脳梗塞を防ぐ
2015年03月27日
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人生に目的や生きがいをもつことが、加齢に伴い増える脳のダメージを軽減し、高齢者の脳を保護するのに役立つという研究が発表された。
高齢者のメンタルヘルスが脳の健康に影響
人生に前向きに取り組んでいるという意識をもつ高齢者の脳では、そうでない高齢者に比べ、視認できる脳梗塞が半分に減ることが米国の研究で確かめられた。
脳梗塞は、脳の血管が詰まる病気だ。血管が詰まるとその先に血液が流れなくなり、酸素や栄養が不足する。この状態が長く続くと、脳細胞が壊死(体の組織や細胞が局部的に死ぬこと)し、手足のマヒや言語障害、認知症などさまざまな障害が起こってくる。
「高齢者にとってメンタルヘルスは重要です。今回の研究では、"人生に目的をもっている"といった心理的要因が、高齢者の脳の健康に大きな影響力をもつことが確かめられました」と、ラッシュ大学医療センターアルツハイマー病センターのパトリシア ボイル氏は言う。
ボイル氏らは「ラッシュ記憶・老化プロジェクト」に参加した平均年齢84歳の高齢者453人を追跡して調査した。参加者のうち114人が臨床的に脳卒中と診断された。参加者は毎年健診を受け、死亡したときには検死に協力することを同意していた。研究チームは、平均90歳で死亡した参加者の脳を詳しく調べた。
その結果、参加者の47.7%で脳梗塞が発見され、34.0%は視認できる大きな梗塞で、28.3%は顕微鏡でみつけられる微小な梗塞であることが確かめられた。さらに、人生に目的意識や生きがいをもっていると報告された高齢者の脳では、そうでない人に比べ、視認できる大きな梗塞が44%減少していることが確認された。微小な梗塞については差が出なかった。
血圧、糖尿病、食事、運動、うつ病といった脳血管疾患と関連の深い要因を調整して解析しても、高齢者のメンタルヘルスと脳梗塞には関連があることが示された。
人生に前向きの考えを抱いている高齢者では、特に「ラクナ梗塞」が少なかった。ラクナ梗塞は、脳の深いところにある血管が塞がれたり、詰まるなどして起こる。障害される範囲が狭いので、症状は軽いことが多いが、梗塞の箇所が多い場合は、脳血管性認知症に移行しやすい。
「医療スタッフは患者の精神状態にも気を配り、患者が目的意識と肯定的な感情をもてるよう手助けをする必要があります」と、ボイル氏は指摘する。
「人生の目的や生きがいは人によって異なりますが、あなたが自分の行動に価値を見いだせるように生活することが重要です。ボランティア活動を始めたり、新しいことを学んだり、地域コミュニティに参加するなどして、目的意識をもつことが、あなたの健康に大きく影響します」と強調している。
Having A Purpose In Life May Improve Health Of Aging Brain(ラッシュ大学 2015年3月23日)
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