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糖尿病発症の予測アプリは「医療機器」ではない スマホアプリにも規制の波
2019年01月30日
厚生労働省は、疾病の診断の支援や治療計画などに用いる「医療機器プログラム」について、医療機器に位置づけられるという基本的な考えを示しながら、糖尿病の発症確率を検査結果データに基づき提示するプログラムなどは「医療機器プラグラムに該当しない」との見解を示した。
医療機器に該当するプログラムと該当しないプログラムの違い
医薬品医療機器等法(2014年11月施行)では、それまでの薬事法と異なり、診断・治療を目的としたソフトウェアを単体の流通を認めるとともに、安全性を確保するために「医療機器プログラム」として規制している。規制の内容は基本的に他の医療機器と同じだ。
「医療機器プログラム」は、パソコンやスマートフォンにインストールされ、病の診断、治療もくは予防に使用されるプログラム。人の身体の構造もくは機能に影響を及ぼすことを目的としている。
有形ではない無体物であり、人の生命や健康や機能に影響を与える可能性があるとして、厚労省は次の2点について考慮するよう求めている。
(1)プログラム医療機器により得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか。
(2)プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において人の生命および健康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか。
その上で、「医療機器に該当するプログラム」と「該当しないプログラム」を次のように規定している。
(2)プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において人の生命および健康に影響を与えるおそれ(不具合があった場合のリスク)を含めた総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか。
医療機器に該当するプログラム
(1)医療機器で得られたデータ(画像を含む)を加工・処理し、診断または治療に用いるための指標、画像、グラフなどを作成するプログラム
(2)治療計画・方法の決定を支援するためのプログラム(シミュレーションを含む) 医療機器に該当しないプログラム
(1)医療機器で取得したデータを、診療記録として用いるために転送、保管、表示を行うプログラム
(2)データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)
(3)教育用プログラム
(4)患者説明用プログラム
(5)メンテナンス用プログラム
(6)院内業務支援プログラム
(7)健康管理用プログラム
(8)一般医療機器(機能の障害等が生じた場合でも人の生命および健康に影響を 与えるおそれがほとんどないもの)に相当するプログラム
(1)医療機器で得られたデータ(画像を含む)を加工・処理し、診断または治療に用いるための指標、画像、グラフなどを作成するプログラム
(2)治療計画・方法の決定を支援するためのプログラム(シミュレーションを含む) 医療機器に該当しないプログラム
(1)医療機器で取得したデータを、診療記録として用いるために転送、保管、表示を行うプログラム
(2)データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)
(3)教育用プログラム
(4)患者説明用プログラム
(5)メンテナンス用プログラム
(6)院内業務支援プログラム
(7)健康管理用プログラム
(8)一般医療機器(機能の障害等が生じた場合でも人の生命および健康に影響を 与えるおそれがほとんどないもの)に相当するプログラム
糖尿病に関連する「医療機器プログラム」
糖尿病に関連する「医療機器プログラム」は次の通り――。
医療機器に該当するプログラム
・ 簡易血糖測定器等の医療機器から得られたデータを加工・処理して糖尿病の重症度などの新たな指標の提示を行うプログラム 医療機器に該当しないプログラム
・ 日常的な健康管理のため、個人の健康状態を示す計測値(体重、血圧、心拍数、血糖値など)を表示、転送、保管するプログラム
・ 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(歩数など)を検知し、健康増進や体力向上を目的として生活改善メニューの提示や実施状況に応じたアドバイスを行うプログラム
・ 医療機器で取得したデータを、可逆圧縮以外のデータの加工を行わずに、他のプログラムなどに転送するプログラム
・ 診療記録として患者情報・検査情報の表示、編集を行うために、医療機器で取得したデータのデータフォーマットの変換、ファイルの結合等を行うプログラム
・ 簡易血糖測定器等の医療機器から得られたデータを加工・処理して糖尿病の重症度などの新たな指標の提示を行うプログラム 医療機器に該当しないプログラム
・ 日常的な健康管理のため、個人の健康状態を示す計測値(体重、血圧、心拍数、血糖値など)を表示、転送、保管するプログラム
・ 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報(歩数など)を検知し、健康増進や体力向上を目的として生活改善メニューの提示や実施状況に応じたアドバイスを行うプログラム
・ 医療機器で取得したデータを、可逆圧縮以外のデータの加工を行わずに、他のプログラムなどに転送するプログラム
・ 診療記録として患者情報・検査情報の表示、編集を行うために、医療機器で取得したデータのデータフォーマットの変換、ファイルの結合等を行うプログラム
糖尿病の発症確率を表示するプログラムは医療機器ではない
厚生労働省は2018年12月28日に通知「『プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について』の一部改正について」を発出し、「医療機器プログラムに該当しない」プログラムの追加を行った。
この通知では、「医療機器プラグラムに該当しない」ものに、次の機能をもつプログラムが追加された。
・ 糖尿病のような多因子疾患の一部の因子について、検査結果データと特定の集団の当該因子のデータを比較し、▼検査結果に基づき「当該集団において当該因子について類似した検査結果を有する者の集団における当該疾患の発症確率を提示する」プログラム、
▼特定の集団のデータに基づき「一般的な統計学的処理等により構築したモデルから、検査結果データに基づく糖尿病のような多因子疾患の発症確率を提示する」プログラム。
市販前に製造販売承認申請を行う必要が
「医療機器プログラム」を製造販売するには、その使用目的、効能または効果などに関する所要の審査が必要となるため、市販前に製造販売業者が製造販売承認申請などを行う必要がある。
取り扱う企業に対する規制「業態許可」と、取り扱う物に対する規制「製造販売承認等」の両方の手続きが必要となる。
さらに、「医療機器プログラム」を製造して、医療機関に販売するためには、法律で定められた業態である「製造業」「製造販売業」「販売業」の登録・許可などに関する手続きを行う。
なお、各業態において法律で定められた要件を満たす「責任者等」の設置が義務付けられている。業態の手続きを行う主体は各都道府県だ。
医療機器プログラムの承認申請の可能性が明らかになった段階で、必要に応じて医薬品医療機器総合機構(PMDA)の各種相談制度を活用し、承認申請に関係する問題点を解決しながら開発を進めていくことを推奨している。
「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」の一部改正について(医療機器センター 2018年12月28日)「プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について」の一部改正について(厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 2018年12月28日)
医療機器プログラムの承認申請に関するガイダンス(医療機器センター 2016年3月31日)
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