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「がんサバイバーのための運動ガイドライン」を発表 運動はがん患者の不安や苦痛を軽減する

 がんサバイバーのための新しい運動ガイドラインが、カナダのブリティッシュコロンビア大学などの国際的な研究グループにより開発された。がん発症と治療による疲労や不安症、うつなどの副作用に対応した「運動処方」が必要だとしている。
すべてのがん経験者は運動不足を避けるべき
 「運動はがん患者にも大きな恩恵をもたらします。すべてのがんサバイバーは、運動不足に陥ることを避けるべきです」と、ブリティッシュコロンビア大学理学療法学部のクリスティン キャンベル氏は言う。

 がんサバイバーのための新しい運動ガイドラインでは、がんサバイバーにウォーキングなどの有酸素運動と、筋力トレーニングを、1セッションあたり約30分間、週3回以上、合計すると週に計150分間の運動を行うことを推奨している。

 これは、健常者を対象とした米国の運動ガイドラインと同等だ。がん治療中の患者では体力が低下していることが多いで、低いレベルの強度でリスクを管理をしながら運動をする必要があるが、慣れてくれば健常者と同じくらいのレベルまで、運動の強度を高められるという。最初は少し軽めでも、なるべく毎日継続することを推奨している。
運動ががんサバイバーのQOLを向上
 手術後や放射線・化学療法中のがん患者の70%で、疲労感や体力低下がみられ、がんサバイバーの30%は、体力や持久力の低下を経験しているという報告がある。

 しかし、運動は骨格筋を増加し、エネルギー消費を増加させ肥満対策になり、がんサバイバーでは、身体機能の改善に加え、倦怠感や不安などの苦痛をともなう症状の軽減し、生活の質(QOL)を向上する効果を期待できる。

 運動することで身体の機能が向上できないまでも維持は可能だ。がん治療の後からでは運動機能が落ちてしまうおそれがあるので、治療中から開始することを推奨している。

 ウォーキングや自転車エルゴメーターのような有酸素運動には全身持久力の向上が、レジスンタンス運動(筋トレ)には骨格筋量、筋力増加が期待できる。
運動が7種類のがんのリスクを減少
 新しいガイドラインは、40人の国際的ながん研究者による研究グループによりまとめられた。がん研究で成長している科学的エビデンスに対する実質的なレビューと分析にもとづいて作成されている。

 がんサバイバーを対象とした2,500件以上の無作為化対照試験が実施されており、2010年に最初のガイドラインが発表されてから281%増加している。

 それによると、運動が乳がん、結腸直腸がん、前立腺がんの患者の生存率を向上させることが明らかだ。運動は、結腸がん、乳がん、腎臓がん、子宮体がん、膀胱がん、胃がん、食道がんのリスクもそれぞれ低下させる。
運動が乳がんの再発や死亡のリスクを減少する
 乳がんを対象とした研究では、乳がん治療を経験した女性のうち、適度な運動を行う女性は、行わない女性に比べて、乳がんの再発や死亡のリスクが低くなることはほぼ確実とみられている。

 ウォーキングなど運動が、乳がんサバイバーの死亡リスクを35%低下し、また乳がんの再発リスクがおよそ25%低下することが示されている。

 米国スポーツ医学会(ACSM)は、がん患者に運動を奨励するイニシアチブ「Moving Through Cancer」を、2019年10月に発表した。新しいガイドラインはこれを支持するものだ。

 「がん患者の運動のプラス効果を解明した研究は増えています。運動をがんの標準治療に統合するべきです」と、キャンベル氏は指摘している。

 キャンベル氏は、がん治療にあたる医療チームとフィットネスの専門家が「運動処方箋」をより、運動をがん治療に体系的に組み込むことを望んでいる。がん患者の個々のニーズ、好み、能力に適合した運動処方箋を提供できるよう、医療リソースを開発する必要があるとしている。

New international exercise guidelines for cancer survivors(ブリティッシュコロンビア大学 2019年10月16日)
Panel Finds Exercise May Lower Cancer Risk, Improve Outcomes(米国立衛生研究所 2019年10月16日)
Exercise Guidelines for Cancer Survivors: Consensus Statement from International Multidisciplinary Roundtable(Medicine & Science in Sports & Exercise 2019年11月)
[Terahata]

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