トピックス・レポート
働く人に伝えたい!薬との付き合い方
-薬・サプリとセルフメディケーション-

⑥混ぜるな危険 「薬」と「酒・タバコ」の複雑な関係

タバコと薬

 喫煙者は薬が効きづらい(代謝酵素の増加)ことは、本連載の「④くすりの旅:薬効を示すのは飲んだ薬の一部! 喫煙者は薬が効きにくい理由」で述べました。
 テオフィリン、リドカイン、抗うつ剤の一部は、喫煙により影響を受けることが指摘されています。

テオフィリン(気管支喘息や慢性気管支炎などの薬)

 テオフィリンはCYPを主な代謝酵素としています。CYPが増加している喫煙者では、テオフィリンの分解量が多いため、治療に1.5~2倍の用量が必要となることが報告されています。
 この患者(喫煙者)が禁煙した場合には、CYPが減少に伴ってテオフィリンの血中濃度が上昇し、喫煙時と同じ用量では中毒症状を発現する危険性があるため減量が必要となります。用量の見直しが必要とされています。

 飲酒・喫煙は、薬の作用に複雑に影響します。医院や薬局で処方された薬はもちろん、ドラッグストアで購入した薬も、取り扱いには注意しなければなりません。
 お酒と薬を一緒に飲むのは厳禁ですが、深酒する癖のある人や喫煙者は、自分が飲んでいる薬について、薬剤師に一度指導を受けることをお勧めします。

 次回は「食品と薬の相性」で注意しなければならないことをご紹介します。
これまでの「働く人に伝えたい!薬との付き合い方」

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日本くすり教育研究所は、小・中・高等学校における「くすり教育」や「薬物乱用の防止教育」に加え、「喫煙や飲酒の害」について、一般社会も含めて広く啓発活動を行うとともに、これらの健康教育に携わる専門職の方々をサポートします。

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