トピックス・レポート
働く人に伝えたい!薬との付き合い方
-薬・サプリとセルフメディケーション-
-薬・サプリとセルフメディケーション-
⑥混ぜるな危険 「薬」と「酒・タバコ」の複雑な関係
2023年09月04日
薬とアルコールの作用が重なって及ぼす影響
解熱鎮痛剤
アスピリンとアルコールを一緒に飲むと両者の胃粘膜損傷作用が重なり、胃痛、潰瘍などが起こることがあります(ほかの解熱鎮痛薬:NSAIDsでも認められます)。
向精神薬(催眠鎮静剤、抗不安剤、抗精神病剤など、中枢神経を抑制する薬)
アルコールと一緒に飲むと、アルコールの中枢神経抑制作用により作用が増強され、眠気、注意力低下、めまい、頭痛、呼吸の抑制などがあらわれます。添付文書に「車の運転は避ける」と書かれた薬は、注意してください。
血圧降下薬
アルコールの血管拡張作用により作用が増強され、たちくらみ、ふらつき、起立性低血圧誘発などがあらわれます。
図4 アルコールが薬の作用に及ぼす影響(薬効)
コラム:お酒に強い人、弱い人
お酒に「強い」人とは、つまり肝臓にある酵素のADH(アルコール脱水素酵素)とALDH(アルデヒド脱水素酵素)の活性が高い人で、速やかにアルコールを分解して酢酸、さらには水と二酸化炭素に分解できます。
一方、「弱い」(すぐに酔っぱらってしまう)人はADHの活性が低く、アルコールが多く血中へ入り、脳に作用し酩酊状態となります。ALDHの活性だけが低い人は、アルデヒドで分解が止まり、これが血中へ入っていきます。アセトアルデヒドは悪酔いの原因物質です。
分解酵素の活性によって酒に強いかどうかが決定されます。なお、日本人にはALDHの活性が低い人が多く、生まれつき酒に弱い人が多くみられます。
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.
最新ニュース
- 2025年07月14日
- 適度なアルコール摂取は健康的? 大量飲酒の習慣は悪影響をもたらす お酒との良い関係
- 2025年07月14日
- 暑い夏の運動は涼しい夕方や夜に ウォーキングなどの運動を夜に行うと睡眠の質は低下?
- 2025年07月14日
- 【コーヒーと健康の最新情報】コーヒーを飲んでいる人はフレイルや死亡のリスクが低い 女性では健康的な老化につながる
- 2025年07月08日
- 【熱中症予防】エアコンを適切に使えず死亡した高齢者の特徴を明らかに どうすれば防げる? 今年は昨年以上の猛暑に
- 2025年07月08日
- 「大人の食育」を強化 人生100年時代の食育には地域や職場との連携も必要-令和6年度「食育白書」より