ニュース
ストレスチェック制度 医師の6割が「効果なし」 職場改善が必要
2016年08月31日

医師や保健師などが携わるストレスチェック制度について、医師の6割が労働者のメンタルヘルス不調の一次予防に効果がないと考えていることが分かった。
「ストレスの多い職場のチェックになる」というコメントも
改正労働安全衛生法にもとづき、2015年12月から「ストレスチェック制度」がスタートした。従業員50人以上の事業所は、医師・保健師等によるストレスチェックが義務付けられる。
ストレスチェックにより、従業員は自分のストレスがどのような状態にあるのかを知ることができる。従業員から申し出があった場合、医師による面接指導も行われるなど、メンタルヘルス不調を未然に防止する「一次予防」の効果を狙うものだ。
しかし、医師の6割が労働者のメンタルヘルス不調の一次予防に効果がないと考えていることが、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアの調査で明らかになった。
ストレスチェック制度がメンタルヘルス不調の一次予防に効果があるかどうか尋ねたところ、「どちらかと言えば効果はない」(45.3%)と答えた医師がもっとも多く、「まったく効果はない」(16.8%)と合わせて6割超の医師が一次予防の効果に否定的だった。
一方、「どちらかと言えば効果がある」が35.6%、「かなり効果がある」が2.3%という結果となった。
否定的な回答を医師からは、「ストレスチェック後の職場改善の対策が無い限り、一次予防にはならない」「本当にうつ状態で悩んでいる人よりも職場に不満のある人が引っかかる恐れがあり、本来の趣旨とずれる」といった声が挙がった。
一方で、「効果がある」と回答した医師からは、「メンタルヘルスの重要性の啓蒙になる」「やらないよりは、やることで救われる労働者もいる」「ストレスの多い職場のチェックになる」というコメントがみられた。
効果があると回答した医師のコメントは以下のようになっている。
「どちらかといえば効果がある」 1,435件
・ 現役産業医です。これはストレスチェック自体の効果ではなく、ストレスチェックを行うことでの本人自身や管理者に対する啓蒙を促す効果はあるかと思います。(40代、心療内科、男性)
・ ストレスフルな従業員を見つけることはもちろんだが、ストレスの多い職場を探すのにも役立っている。(40代、産業医、男性)
・ 制度は始まったが、働いている方の認知度はほぼゼロ(来院者20人以上に聞いた所、誰も知りませんでした)に近いようです。働く人への啓蒙も必要だと考えます。(60代、心療内科、男性)
・ まったく実施してこなかった事業所や従業員に意識を少しでももってもらうということではいくらか意味があるかと。(40代、健診・予防医学、男性)
・ 全く効果が無いわけでは無いでしょう。これによって救われる労働者も少なからずいるはずです。(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)
・ 制度の理念は良し、しかし大事なのは問題ありと判定された後の対策が準備されているかどうかにかかっている。(60代、産婦人科、男性)
・ 現役産業医です。これはストレスチェック自体の効果ではなく、ストレスチェックを行うことでの本人自身や管理者に対する啓蒙を促す効果はあるかと思います。(40代、心療内科、男性)
・ ストレスフルな従業員を見つけることはもちろんだが、ストレスの多い職場を探すのにも役立っている。(40代、産業医、男性)
・ 制度は始まったが、働いている方の認知度はほぼゼロ(来院者20人以上に聞いた所、誰も知りませんでした)に近いようです。働く人への啓蒙も必要だと考えます。(60代、心療内科、男性)
・ まったく実施してこなかった事業所や従業員に意識を少しでももってもらうということではいくらか意味があるかと。(40代、健診・予防医学、男性)
・ 全く効果が無いわけでは無いでしょう。これによって救われる労働者も少なからずいるはずです。(50代、整形外科・スポーツ医学、男性)
・ 制度の理念は良し、しかし大事なのは問題ありと判定された後の対策が準備されているかどうかにかかっている。(60代、産婦人科、男性)
「かなり効果がある」 92件
・ まずは、セルフチェックで客観的にメンタルヘルスについて把握できますし、それをもとに早めに産業医に相談もできます。そして、うつなど発症以前に対応もできるのではないかと思います。なにより、こういったことが周知されていくことが、メンタルヘルスの啓発普及になると思います。(50代、精神科、男性)
調査は3日から9日にかけて実施。4,031人の医師から回答を得た。
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」
・ まずは、セルフチェックで客観的にメンタルヘルスについて把握できますし、それをもとに早めに産業医に相談もできます。そして、うつなど発症以前に対応もできるのではないかと思います。なにより、こういったことが周知されていくことが、メンタルヘルスの啓発普及になると思います。(50代、精神科、男性)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2023 SOSHINSHA All Rights Reserved.

「健診・検診」に関するニュース
- 2022年10月25日
- 【特定健診】健診結果から糖尿病リスクを予測するAIを開発 スマホアプリに搭載し生活改善を促す 大阪大学
- 2022年10月24日
- 「フレイル」をわずか5つの質問で簡便に判定 フレイル予備群も分かる 保健指導でも活用
- 2022年10月11日
- 高齢者の半数以上は「フレイルが心配」 フレイル健診を受診したのは23%と少数 データを活用した「対策モデル事業」も
- 2022年10月03日
- 【がん検診】胃カメラ検査は本当に効果がある? 胃内視鏡検査はX線検査よりも効果が高いことを確認
- 2022年09月27日
-
有害業務に伴う歯科健康診断の報告
―10月1日から規模にかかわらず、すべての事業場に義務化 - 2022年09月21日
-
がん検診受診率の目標を60%へ
職域のがん検診受診「個人単位」での把握検討を―「がん検診のあり方検討会」より - 2022年07月26日
- 2021年度版「健診・検診/保健指導実施機関」状況報告 10年間の推移についてまとめ
- 2022年07月11日
- 動脈硬化学会が「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」を発表 特定健診・保健指導にも影響
- 2022年06月10日
-
【レポート】日本保健師活動研究会「20周年記念シンポジウム」
保健師の実践活動から、強みと意義を考える - 2022年05月23日
- 【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
最新ニュース
- 2023年02月07日
- 【新型コロナ】マスク着用によりインフルエンザも減った 人の多い所を避けることにも効果が
- 2023年02月07日
- 高齢者のフレイル予防のウォーキングは1日に何歩が必要? 高齢者の運動量の最適値を明らかに
- 2023年02月06日
- 「ガーデニング」で肥満・メタボを改善 野菜を食べられ運動にもなる メンタルヘルスも向上
- 2023年02月06日
- 運動に認知症の予防効果が 仲間とともに行う運動はより効果が高い 運動と社会交流を両立
- 2023年02月06日
- 肥満者向けの減量プログラムにお金を支給するインセンティブを付けると成功率は大幅に向上