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アルツハイマー病が血液検査でかわる 発症早期に診断する手法を開発

 アルツハイマー病を血液検査で診断できる手法を、京都府立医科大の徳田隆彦教授や建部陽嗣助教らが開発した。アルツハイマー病に関連しながら、これまで脳脊髄液でしか測定できなかったタンパク質「p-tau」を血液から検出するというもの。
 アルツハイマー病は認知機能などの症状が出てから診断されることが多く、血液データなどで早期から正確に診断する手法の開発が急がれている。
アルツハイマー病を血液検査で早期発見
 アルツハイマー病を血液検査などで早期発見できれば、効果的な治療を行えようになる可能性があるが、現実には認知機能などの症状が出てから診断されることが多い。早期から正確に診断する手法の開発が急がれている。

 京都府立医科大学の研究チームは、アルツハイマー病患者の脳に特異的に蓄積するリン酸化タウタンパク(p-tau)を、ヒトの血液中で定量できる手法を開発したと発表した。

 研究は、京都府立医科大学分子脳病態解析学の徳田隆彦教授、京都府立医科大学在宅チーム医療推進学(神経内科学併任)の建部陽嗣特任助教らの研究グループによるもので、国際科学誌「Molecular Neurodegeneration」に発表された。

 これまでの研究で、アルツハイマー病を診断するための脳脊髄液バイオマーカーとして、とくにコア・バイオマーカーと呼ばれる「髄液Aβ42」(アミロイドβタンパク)、「t-tau」(総タウタンパク)、「p-tau」(リン酸化タウタンパク)が有用であることが分かっている。

 このうち、p-tauはアルツハイマー病に特異的であり、アルツハイマー病患者の髄液中で高値になり、アルツハイマー病を診断するうえで高い感度・特異度をもつことが多くの研究で確かめられている。

 しかし、p-tauは脳脊髄液中でしか測定できないために、認知症の診療現場では普及していない。

 血液中には極微量が含まれるp-tauを定量できれば、血液バイオマーカーとして活用できるようになり、侵襲性と非効率性を実現したアルツハイマー病診断バイオマーカーが確立できる可能性がある。
世界的な開発競争をリードする画期的な研究
 研究グループは、生物材料を用いて生物学的な応答を超高感度でデジタルに分析するimoa(米国Quanterix社製)を導入し、p-tauの測定感度を1000倍まで向上させるのに成功した。これにより、これまで脳脊髄液中でしか定量ができなかったp-tauを、血液中で検出・定量できるシステムを、世界ではじめて開発した。

 新たに開発したp-tau定量システムを用いて、実際の患者血液中のp-tauを測定したところ、アルツハイマー病患者などの患者では、健康な人と比較して、血液中のp-tauが有意に増加しており、アルツハイマー病の診断に有用であることが判明した。

 この数年で、世界的にもアルツハイマー病の診断に有用な血液バイオマーカーの開発研究が非常な競争のもとに行われており、従来脳脊髄液中でしか測定できなかった総タウ蛋白(t-tau)を、血液中で定量できるSimoaのシステムは既に2015年に報告されていた。

 しかし、血液t-tauでは患者と正常者の間のオーバーラップが大きく診断には使えないので、よりアルツハイマー病に特異的なp-tauを、血液中で定量できる方法の開発が世界中で求められていた。今回の研究は、その世界的な開発競争をリードする画期的なものだという。

 研究チームが開発した新たなp-tau定量システムにより、血液検査でアルツハイマー病の診断を迅速かつ正確にできるようになる可能性があり、日常診療から臨床研究までのすべての局面で、アルツハイマー病の診断過程が進歩する可能性がある。

京都府立医科大学分子脳病態解析学
Quantification of plasma phosphorylated tau to use as a biomarker for brain Alzheimer pathology: pilot case-control studies including patients with Alzheimer's disease and Down syndrome(Molecular Neurodegeneration 2017年9月4日)
[Terahata]

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