ニュース

ワカメに食後血糖値の上昇を抑制する効果 白飯のGI値を低下

 ワカメを食事と一緒に摂取することで食後の血糖値の上昇を抑えられるという研究が発表された。ワカメを摂取すると、食後の血糖値の上昇しやすさを示す指標であるGI値も低下した。
 ワカメを摂取することで、食後の血糖値の上昇が抑制されることが期待されるという。
日本Glycemic Index研究会で発表
 ワカメを食事と一緒に摂取することで食後の血糖値の上昇を抑えられることが、理研ビタミンと藤女子大学人間生活学部食物栄養学科の三田村理恵子准教授との共同研究で判明した。研究は7月に開催された日本Glycemic Index(GI)研究会で発表された。

 海藻は健康的なイメージをもたれている食材だが、その健康効果については未解明な部分も多い。理研ビタミンはこれまで、ワカメの健康効果を明らかにする研究を重ね、血圧やコレステロールに対する影響など発表してきた。今回は、ワカメの食後血糖値に与える影響を明らかにするためヒト試験を実施した。

 成人の健常女性9人を対象に、対照群(A)には白米150gとドレッシング10ccを、ワカメ群(B)に白米150gとドレッシング10ccを混ぜた乾燥カットワカメ4gの水戻し品を摂取してもらい、摂取前、摂取15分、30分、45分、60分、90分、120分後の血糖値を測定した。

 その結果、白米とワカメを同時に摂取した(B)群では、食べていなかった(A)群に比べ、血糖値の上昇が、食後15分、30分、120分に抑制されることが判明した。
 また、ワカメを同時に摂取した(B)群は、食べていなかった(A)群に比べ、GI値が低下することも分かった。
 GI値とは、白飯のみを摂取したときの血糖値の上昇を100として、各検査食を摂取したときの血糖値のを算出した値。今回の試験では、白米150gを摂取した場合の食後2時間までの血糖値上昇の総量を100として算出した。

 なお、試験は日本Glycemic Index研究会のプロトコールに従い実施された。

 研究結果について三田村准教授は、「昨年5月の日本栄養食糧学会では、ワカメスープの摂取による食後血糖値の上昇抑制の効果について発表を行いましたが、今回の試験からも、ワカメの食後血糖値の上昇の抑制効果が再度確認されました。ワカメは日本食を代表する食材で、日本人の健康長寿の一旦を担っている可能性があります」とコメントしている。

理研ビタミン
日本Glycemic Index研究会
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2025年08月21日
歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
2025年07月07日
子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
2025年06月27日
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】
2025年06月17日
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断
2025年06月02日
肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
2025年05月20日
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化
2025年05月16日
高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
2025年05月16日
【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
2025年05月12日
メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
2025年05月01日
ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶