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野菜で脱メタボ 宮城県が野菜の摂取を促す「みやぎベジプラス100」
2018年11月21日

宮城県では、20~40歳代の県民の野菜の摂取量が、目標の1日350gに対し100g不足している。糖尿病やメタボリックシンドロームの割合も全国より高い水準にある。
そうした現状を打破しようと、県は野菜の摂取と減塩を促すはじめてのキャンペーン「みやぎベジプラス100&塩eco」を開始した。全県で栄養士会や民間企業などと連携し、食生活の改善を呼びかけている。
そうした現状を打破しようと、県は野菜の摂取と減塩を促すはじめてのキャンペーン「みやぎベジプラス100&塩eco」を開始した。全県で栄養士会や民間企業などと連携し、食生活の改善を呼びかけている。
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が含まれる
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれている。厚生労働省が提唱する「健康21」(第二次)では、1日に350g以上をとることが勧められている。しかし、厚労省の最近の調査によると、日本人は野菜を平均で288gしかとっていない。
また、食物繊維は消化されずに、小腸を通って大腸まで達する食品成分。便秘の予防をはじめとする整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、多くの生理機能が明らかになっている。
日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年代では1日20gを超えていたが、食生活の欧米化やライフスタイルの変化に伴い、年々低下しつつある。現在の食物繊維の平均摂取量は14gだ。
宮城県の野菜摂取量は目標を下回っている
宮城県の調査によると、20~40歳代の県民1人当たりの野菜摂取量は1日250~270gで、目標値である350gを大きく下回り、全国平均に比べても少ない。また、塩分摂取量は男性 11.5g、女性 9.5gで目標値(それぞれ8g未満と7g未満)を大きく上回っている。
そうした現状を打破しようと、県は野菜の摂取と減塩を促すはじめてのキャンペーン「みやぎベジプラス100&塩eco」を開始した。
野菜を1日350gといわれても、実際にどれくらいの量なのか、想像ができないという人もいるかもしれない。ホウレンソウのおひたし 70g、野菜いため 140g、具だくさんのみそ汁 70g、冷やしトマト 70gをすべて合わせると、野菜350gになる。
減塩については、ラーメンなどの麺類の汁を残すだけでも効果がある。ラーメン1杯の食塩量は約5g。ドレッシングやしょうゆなどの調味料も控えめにする。加工食品にも塩分は多く含まれるので、間食などでなるべく食べないようにする。
関連情報
「野菜! あと100g」「減塩! あと3g」
キャンペーンでは、県民の健康への意識を高め、野菜を現状より100g多く摂取する「野菜! あと100g」、食塩の摂取量を3g減らす「減塩! あと3g」の実現を目指している。
11月にはイベントの開催や企業とコラボしたメニュー提案。また、県内のスーパーなどで野菜そうざいにベジプラスシールを貼ったり、河北新報発行の県の食と食文化のマガジン「しゅん」へのコラム掲載や、インスタグラムを利用したキャンペーンなども展開している。
参加企業は味の素やカゴメ、ローソンなど10社。県栄養士会、やぎ野菜ソムリエの会もサポーターとして後押しする。県内のスーパー10店舗で、野菜120g以上、食塩相当量3g以下の減塩弁当「グリルチキンと旬野菜の彩りベジBOX」を販売。ローソンは仙台市内の店舗で、野菜の総菜にロゴマークのシールを貼ってPRしている。
メタボは全国ワースト3位 糖尿病も重症化
宮城県の糖尿病の総患者数は、2014年の患者調査によると約6万2,000人。糖尿病腎症が原因で新たに透析を始めた患者は303人で、2010年の215人から倍増し、糖尿病の重症化が進んでいる。
また、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者は9万6,482人(17.2%)で、全国ワースト2位。予備群も6万7,898人(12.1%)で、両者を合わせると割合は29.3%になり、沖縄県の32.1%、福島県の29.6%に次ぐ全国ワースト3位となっている。今後、糖尿病の発症や重症化が進むと予想されている。
糖尿病は、初期の段階では自覚症状が乏しく、健診や医療機関の受診につながりにくい。
宮城県保健福祉部健康推進課では、「糖尿病を放置したまま、糖尿病網膜症や腎症などの合併症の症状からあらわれてから受診し、はじめて糖尿病と診断される人も少なくありません。食生活などの生活習慣の改善や、健診を定期的に受けることの重要さについて知ることが大切です」と述べている。
みやぎベジプラス100 公式サイト(宮城県)平成28年度「県民健康・栄養調査」(宮城県)
食材王国みやぎ
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