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65歳以上の世帯の1人暮らしは2040年には3割超 高齢者世帯は42都道府県で増加
2019年05月21日
国立社会保障・人口問題研究所は、2040年までの世帯数の将来推計を公表した。日本は高齢化が進み、高齢者の単独世帯が増える実態が浮き彫りになった。
単独世帯が2040年には全世帯の4割
国立社会保障・人口問題研究所は2015年の国勢調査に基づき、2040年まで5年ごとの都道府県別の世帯数を推計した。
それによると、世帯総数は2015年の5,333万世帯から増加し、2023年の5,419万世帯でピークを迎える。その後は減少に転じ、2040年には5,076万世帯になる。
単独世帯は2015~2040年の間に、34.5%から39.3%へ増加。1人暮らしは全体で1,994万人と全世帯の約4割を占めるようになる。
世帯主が65歳以上の高齢世帯に占める1人暮らしの割合は、2040年には全国で3割を超える。2015~2040年の間に世帯主が65歳以上である世帯は1,918万世帯から2,242万世帯に増加する。
75歳以上の世帯の1人暮らしが42%超に
社会保障給付費も増加
世帯主が75歳以上の世帯も、2015年と2040年を比較すると、16.7%から24.0%へ上昇する。
75歳以上の世帯の1人暮らしは、2040年には512万人と42.1%を占めるようになる。夫婦のみの世帯(29.9%)、夫婦と子どもが一緒に暮らす世帯(10.7%)を大幅に上回る。
1人暮らしの高齢が増えることで、社会からの孤立、日常生活での困窮などが増えると予測される。社会保障や生活インフラは大きな変化を迫られる。公共交通手段が不便で、病院や商店などが遠い地域ほど問題は深刻だ。
また、75歳以上になると介護が必要になる人が増える。介護保険制度では要介護(要支援)の認定を受けた人の9割近くは75歳以上だ。
政府の推計によると、医療や介護など社会保障給付費は、経済成長率を年2%前後としても、2040年度には6割近く増えて190兆円になる。とくに介護は2.4倍の約26兆円に膨らむ。
医療・福祉で必要な人材は1,060万人程度と就業者全体の2割近くになる見込みで、支え手を確保できないおそれがある。
社会保障給付費も増加
65歳以上の世帯は42都道府県で増加
大都市では20%を超える増加率
都道府県別に2015年と2040年の世帯数を比較すると、42道府県で世帯数が減り、秋田県(-22.6%)など19道県では10%以上の減少となる。
平均世帯人員は、2015年(全国2.33人)の1.99人(東京都)~2.78人(山形県)から2040年(全国2.08人)の1.88人(東京都)~2.34人(佐賀県)へ推移し、すべての都道府県で減少する。
世帯主が65歳以上の世帯は、2015年と2040年を比較すると、高知県(-6.6%)、山口県(-6.3%)、和歌山県(-4.0%)、秋田県(-3.9%)、島根県(-2.5%)の5県を除く42都道府県で増加する。増加率が高いのは沖縄県(57.8%)、神奈川県(31.6%)、東京都(31.0%)の順で、大都市地域を中心に9都県で増加率は20%を超える。
大都市では20%を超える増加率
日本の世帯数将来推計(都道府県)(国立社会保障・人口問題研究所)
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