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【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの開発が世界各国で進められている。
 英国では2020年12月2日に、米国では12月11日に、開発した新型コロナのワクチンの緊急使用の許可がそれぞれ出され、接種が開始された。
 日本でも臨床試験が最終段階に入っているワクチンがある。
 一方で、日本医師会は、国内のCOVID-19の感染者増加によって、「医療従事者の心身の疲弊もピークに達している」と強調。
 あらためて国民に対して、日常生活での基本的な感染防止対策の励行を呼びかけている。
日本でmRNAワクチンの臨床試験が進行中
 ファイザーとビオンテックの開発中の新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンについて、同社は2020年10月に日本での第1/2相試験を開始したと発表。20~85歳の日本人160例を対象に接種を行っている。

 このワクチンについて、世界で4万人以上を対象に国際共同第2/3相試験を実施しており、95%の有効率があることを確認している。日本での第1/2相試験の主要なデータは2021年2月までにまとまる見込みだが、同社は12月18日に厚生労働省に承認を申請した。

 臨床開発が成功し、承認が得られた場合、1億2,000万回(6,000人)分のCOVID-19ワクチンを2021年上半期に日本に供給することを日本政府と合意している。

 両社の開発しているmRNAワクチンは、マイナス70度という超低温での管理(コールドチェーン)が必要で、流通面で課題がある。

 両社はドライアイスを充填することで、推奨される保存条件を維持できる温度管理付きの保冷箱を開発している。日本では-75°C±15°Cでの保存を計画しているが、最終的には規制当局の審査を経て決定するという。

関連情報
ウイルスベクターワクチンの臨床試験も進行中
 アストラゼネカが英オックスフォード大学と共同で開発している新型コロナウイルスワクチンについても、日本で臨床試験が実施されている。

 このワクチンは、複製できないように処理をした弱毒化されたチンパンジー由来の風邪のアデノウイルスに、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の遺伝物質を含んだもの。ワクチン接種後、表面スパイクタンパク質が産生され、免疫系を刺激して、後で体が感染した場合に新型コロナウイルスを攻撃する。

 同社は、国内で承認が得られた際にできるだけ早く接種を開始できるよう、生産能力の増強に取り組んでいるという。12月には、日本での1億2,000万回(6,000人)分のワクチンの供給について、日本政府と最終合意を締結した。
日本でもワクチンを独自に開発 試験を開始
 開発したワクチンを国内に安定供給するためには、日本で開発・製造されたワクチンが有利だ。日本でも、新型コロナウイルスワクチンの開発が独自に進められている。

 塩野義製薬は、新型コロナウイルスに対する予防ワクチンについて、国内で200例以上の日本人成人を対象とした第1/2相臨床試験を開始し、12月16日に初回投与を行ったと発表。

 国立感染症研究所などと開発を進めている、ウイルスの遺伝子情報から目的とする抗原タンパクを発現・精製後に投与する遺伝子組換えタンパクワクチンで、昆虫細胞などを用いたタンパク発現技術(BEVS)により開発。速報データは、2021年2月末より取得できる見込み。

 アンジェスも、大阪大学などと開発を進めている新型コロナウイルスに対するワクチンの第2/3相臨床試験を開始しており、12月8日に初回投与を開始した。関西および関東エリアの8施設で500症例に接種を行い、ワクチンの用法および用量における安全性と免疫原性を評価し、2021年3月頃に完了する見込み。

 これは、DNAを投与するDNAワクチンで、体中でDNAからmRNAを介して、コロナウイルスのタンパク質(抗原)が合成され、免疫が誘導される仕組み。

 日本には、東京大学医科学研究所と第一三共が開発を進めている、メッセンジャーRNAを投与するワクチンもある。体中でコロナウイルスのタンパク質(抗原)が合成され、免疫が誘導される仕組み。2021年3月頃の臨床試験開始に向け準備が進められている。
日常生活での基本的な感染防止対策を徹底
日本医師会
中川俊男会長
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの接種を、日本ではいつになれば受けられるようになるのか、12月下旬の時点で目途がたっていない。

 それまでは、日常生活での基本的な感染防止対策を徹底して行う必要がある。

 日本医師会の中川俊男会長は12月9日の定例会見で、感染者の増加により、医療提供体制がひっ迫している状況にふれ、「医師、看護師などの医療従事者の心身の疲弊もピークに達しています」と強調した。

 「重要なのは医療従事者であり、早急な国の支援が必要です。しかし一番の支援は、感染者を極力増やさないことです」として、あらためて国民に対して日常生活での基本的な感染防止対策の励行を呼びかけた。
旅行をするときは"今でなければならないのか"を考えて
 また、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード会議で、20~50代の人が県をまたいで移動し、他地域へ感染を広げている例が多いと報告されたのを受け、誰もが感染している可能性があることをふまえ、「"うつらない"だけでなく"うつさない"ことも大切だという初心に立ち返るべきです」とした。

 さらに、「年末年始などに旅行などを計画されている方は、それが今でなければならないのか、もう一度考えていただきたい。仕事などで移動される方や、とくに、若い世代の方々には、移動先での行動や所作、立ち振る舞いにも、十分気をつけていただきたい」と呼びかけた。
感染者数が増えるか、減少するか、今が正念場
 最強の感染拡大防止策は、1人ひとりの日常の慎重な所作と行動であるとして、▼「人との距離」「手洗い」「マスク着用」などの基本的な感染防止対策と、▼感染リスクが高まる場面の回避、▼換気などの徹底をあらためて求めている。

 「このまま感染者数が増え続けるのか、減少に転じるのかは、この師走が正念場です。日本国民の公衆衛生意識の高さ、感染予防意識の高さは、必ず収束へ反転するきっかけとなり、最終的な終息への突破口につながると信じています」と述べた。

 さらに、感染者への誹謗中傷や風評被害にも言及し、「新型コロナウイルス感染症が日本に上陸し、感染が広がったことについて、感染者本人や家族には何の落ち度もありません。感染者への非難や中傷はしないでいただきたい」と理解を求めた。

出典:厚生労働省、2020年

新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
新型コロナウイルス感染症のワクチンについて(厚生労働省)

Safety and efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 vaccine (AZD1222) against SARS-CoV-2: an interim analysis of four randomised controlled trials in Brazil, South Africa, and the UK(Lancet 2020年12月8日)
Safety and Efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine(New England Journal of Medicine 2020年12月10日)
Safety and Immunogenicity of SARS-CoV-2 mRNA-1273 Vaccine in Older Adults2(New England Journal of Medicine 2020年12月17日)

東京大学医科学研究所 ウイルス感染分野

新型コロナウイルス感染症の感染状況を受けて(日本医師会 定例記者会見 12月16日)
[Terahata]

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