男性の「健康寿命」低下 新型コロナ感染症拡大が影響か
2022年の「健康寿命」公表
厚生労働省は昨年12月、2022年の「健康寿命」の推計値を公表した。それによると男性は72.57歳、女性は75.45歳で、2019年の前回調査から女性が0.07歳伸びた一方、男性は0.11歳短くなっていた。
厚労省は平均寿命が新型コロナウイルス感染症の影響で短くなっており、健康寿命もその影響を受けたと考えられるとしている。
前回調査より「健康寿命」が短くなったのは初めて
厚生労働省は昨年12月24日、「第4回健康日本21(第三次)推進専門委員会」を開催し、2022年の「健康寿命」の推計値を公表した。
健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した指標で、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されている。"自立して健康に過ごせる期間"の平均であり、病気などで介護や支援を必要としている期間は健康寿命には含まれない。
『健康日本21(第一次)』策定当時は、健康寿命の算出方法は明確に規定されておらず、具体的な数値目標が示されていなかった。しかし、2012年に策定された『健康日本21(第二次)』では「日常生活に制限があること」を不健康と定義し、3年ごとに実施される「国民生活基礎調査(大規模調査)」で得られたデータをもとに厚労省の研究班が算出している。
今回発表された2022年の健康寿命は、男性72.57歳、女性75.45歳で、2019年の前回調査(男性72.68 歳、女性75.38 歳)から女性は0.07歳伸びていたが、男性は0.11歳短くなっていた。健康寿命が前回(3年前)と比べて短縮したのは、健康寿命を公表するようになってから初めてのこと。
健康寿命の短縮は新型コロナの影響が主な原因
今回公表された健康寿命は、新型コロナウイルス感染症流行後、初めての推計値となる。男性の健康寿命が短くなった背景として、平均寿命が新型コロナの影響を受けたと推定される。
実際、2022年の平均寿命は、男性が81.05歳、女性は87.09歳で、いずれも2年連続で下回っていた。健康寿命の短縮も、新型コロナ関連による死者の増加などが影響したと考えられる。
今回の厚労省の会議でもそれを裏付けるように、橋本修二氏(藤田医科大学)と川戸美由紀氏(国立保健医療科学院疫学・統計研究部)による「健康寿命の推移とその検討」の参考人資料が提出され、「2022年の健康寿命と不健康期間の短縮において、(2010~2019年の推移を基準とする)COVID-19の影響が主要な原因と考えられた」との報告がなされた。
出典:厚生労働省「第4回 健康日本21(第三次)推進専門委員会 資料1-2」(令和6年12月24日) より


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