オピニオン/保健指導あれこれ
保健指導サービスの質の管理
No.1 「保健指導サービスの質の管理」の基本
産業医科大学
2013年03月25日
質の管理の方法-PDCAを廻す
どのようなサービスでも、マニュアルを作って、スタッフ研修を行っただけで、最初から非常に高い質が達成できるわけではありません。PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを廻しながら、継続的に改善していくことが重要です。すなわち、保健指導サービスの質の管理とは、対象となる保健指導プログラムや保健指導実践者の技量について、「PDCAを廻すための仕組みと実践」と定義することができます。そして、目標を明確にした上で実施後に目標の達成状況を評価・分析して、改善すべき事項を見出して、計画的に改善していくことが、PDCAの基本となります。
評価指標
最後に"評価"について確認したいと思います。一般的に"評価"には、優劣をつけること、説明責任を果たすこと、仮説を検証することなど、様々な目的があります。ここではあくまで、PDCAを廻すための評価についてです。
質の管理では、一定期間にわたる目標を立てて、計画的にプログラムを実施し、その達成の有無を確認するとともに、達成できなかった場合には、その原因を分析して改善計画の立案と実施に結びつけることが、基本となります。その際、目標を数値化しておけば、達成できた場合にはより高い目標を立て、達成できなかった場合にはその原因を分析して改善するという動機が働きやすくなります。そのため、目標は評価指標と目標値で構成されます。
最後に
以上のような質の管理を組織として行うためには、方針の策定、組織の構築と運営、質の管理のためのルールの文書化など、いくつかの作業が必要となります。すなわちマネジメントシステムを構築することが基本となります。
これを医療保険者の立場から見ると、保健指導サービス機関を選定する際、マネジメントシステムの構築と運用状況を確認することによって、質の高い機関を選定することが可能となります。次回は、質の高い保健指導サービス機関の選定の方法について、解説したいと思います。
※関連情報保健指導サービスの質の管理(産業医科大学)
「保健指導サービスの質の管理」もくじ
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2024 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「健診・検診」に関するニュース
- 2024年11月18日
- インフルエンザ流行に備えて 「予防のための最善の方法はワクチン接種を受けること」と専門家は指摘
- 2024年11月18日
- 【新型コロナ】ワクチン接種を受けた人は罹患後症状の頻度が約半分に減少 ワクチンの効果は高い
- 2024年11月11日
- 「加熱式タバコ」もやはり危険 従来のタバコと同様に健康リスクが がん細胞の増殖を促進 細胞死も
- 2024年10月28日
- 大腸がん検査は40代から受けると効果が大きい 大腸がん検診は死亡リスクを大幅に減少 検査を受けることが大切
- 2024年10月28日
- 子供の肥満が世界で増加 過去30年で2倍に増えパンデミックに 子供たちと家族の健康な未来に向けた取り組みが必要