最新の患者調査(厚生労働省)より、国民の健康状態について分析
主な傷病の男女別有病率の比較
主な傷病の男女別の有病率より、男女比較を別表3に示しています。
別表3より、男性に対して女性に多い傷病を表1に、男性に多い疾患を表2に示します。本表は、例えば、表1の「骨粗しょう症」は女性が男性より15.13倍高いということを示しています。女性特有の疾患(子宮内膜症など)は除外しています。
骨粗しょう症が男性より女性に多い理由の一つとして、最大骨量が男性に比べて少ないことが挙げられます。最大骨量とは、一生の中での骨量のピークのことです。一般的に20歳前後で最大骨量に到達し、そのあとは男性・女性ともに加齢に従い徐々に骨量が低下し、さらに女性では閉経とともに急激に低下します。
高齢期に入ってから骨粗しょう症にならないためには、20歳前後までに、より高い最大骨量を獲得しておくことが重要です。最近の若年女性の過剰なダイエットの風潮は、この点で非常に問題であり、将来的には現在以上に骨粗しょう症の有病率の性差が広がるのではないかと懸念されます。
骨粗しょう症によって生じる骨折は、若い時の外傷などによる骨折と異なり、治癒までに長期間を要します。特に大腿部頚部骨折(足の付け根の部分の骨折)が起きると寝たきりを余儀なくされ、そのまま要介護となったり、生命予後(寿命)にも影響が生じてきます。
鉄欠乏性貧血については、毎月の月経(生理)の影響が大きいと考えられますが、それだけでなく、過剰なダイエット志向がこの点にも影響を及ぼしている可能性も否定できません。
一方、男性に多い疾患の痛風、アルコール性肝疾患、アルコール使用障害はいずれもアルコールの飲みすぎが深く関与しており、痛風に関してはメタボとの強い関連があります。また、性差の大きい疾患の第4位に挙げられている慢性閉塞性肺疾患については、その原因の大部分がたばこ(喫煙)です。つまり、男性に多い病気とは、生活習慣の乱れ、不健康な生活習慣が関連していると言えそうです。
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