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日本人妊婦で「静脈血栓塞栓症」が増えている 女性でも珍しくない病気に エコチル調査

 日本人女性でも「静脈血栓塞栓症」が増えており、その頻度は欧米と同程度であることが、全国10万人の妊婦が協力した「エコチル調査」で明らかになった。
全国10万人の妊婦が協力
 名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科学の杉浦真弓教授らは、環境省、国立環境研究所などとともに、「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」を行っている。

 「エコチル調査」は、2010年度に開始された大規模かつ長期にわたる疫学調査。妊娠期の母親の体内にいる胎児期から出生後の子どもが13歳になるまでの健康状態や生活習慣を2032年度まで追跡して調べることになっている。

 「エコチル調査」では、国立環境研究所に中心機関としてコアセンターを設置し、国立成育医療研究センターにメディカルサポートセンターを設置し、全国15ヵ所に拠点となるユニットセンターを設置。子どもの健康にどのように影響するのかを明らかにし、「子どもたちが健やかに育つ環境をつくる」ことを目的に実施されている。

 研究チームは、2016年4月に登録が完了した約10万人の妊婦を対象に、日本人の妊娠中の「静脈血栓塞栓症」の頻度と危険因子について調べた。

関連情報
妊娠時は「静脈血栓塞栓症」のリスクが高い
 足などの静脈に血栓ができる病気を「深部静脈血栓症」と呼び、できた血栓が肺の動脈に詰まる場合を「肺塞栓症」と呼ぶ。これら「深部静脈血栓症」と「肺塞栓症」を合わせて、「静脈血栓塞栓症」と呼ぶ。

 多くは足の静脈内にできた血栓が、肺動脈に流されふさいでしまう病気だ。血栓とは、血管の中にできる血液の塊のこと。「血液が固まりやすい」「血管壁に傷がつく」「血流が遅くなる」といった要因が重なり合うと、血栓ができやすくなる。

 「静脈血栓塞栓症」は以前は、日本人の女性では少ないとみられていたが、生活習慣の欧米化などにともない近年増加している。とくに、妊娠時は、妊娠していない時に比べ、発症のリスクが高まりやすい。病状が悪いと死に至る危険な状況になるので、早期診断からの適切な治療が大事だ。
子宮内膜症や習慣流産が静脈血栓塞栓症の危険因子に
 調査の結果、日本人女性の「静脈血栓塞栓症」の頻度は、1万件の妊娠あたり7.5人であることが明らかになった。さらに、子宮内膜症、習慣流産の既往歴が、静脈血栓塞栓症の新たな危険因子であることが明らかになった。

 さらに、「切迫流産」「切迫早産」「早産」「帝王切開術」は、これまでの報告と同様に、日本人にとっても危険因子であることが示された。

 日本では血栓症に関する研究は十分に蓄積されておらず、日本人の妊娠中の女性の静脈血栓塞栓症の頻度や、静脈血栓塞栓症の発症に関わる要因を調べた研究もこれまではなかった。

 「子宮内膜症、習慣流産、切迫流産、切迫早産、早産、帝王切開術は静脈血栓塞栓症の危険因子となります。妊娠中および産褥の血栓予防のために十分な注意を払う必要があります」と、研究者は述べている。

名古屋市立大学大学院医学研究科産科婦人科学
環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」

Endometriosis and Recurrent Pregnancy Loss as New Risk Factors for Venous Thromboembolism during Pregnancy and Post-Partum: The JECS Birth Cohort(Thromb Haemost 2019年2月5日)
[Terahata]

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