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5人に1人が「不健康な食事」が原因で死亡 たばこや高血圧より深刻 食事改善で命を救える
2019年04月10日

不健康な食事が原因で、世界で年間に1,100万人が死亡しているという調査結果が発表された。
死亡した人の5人に1人で不健康な食事が原因になっており、その影響は高血圧や喫煙よりも深刻だという。
死亡した人の5人に1人で不健康な食事が原因になっており、その影響は高血圧や喫煙よりも深刻だという。
食事を改善することで5人に1人の死を防げる
食事をどのように摂るかという問題は、2型糖尿病、心血管疾患などの慢性的な健康障害に直結している。
ワシントン大学などによるこの研究は、約40ヵ国の130人以上の研究者が参加して行われた、これまでで最大規模のもので、詳細は医学誌「ランセット」に発表された。
「不健康な食事はどんな人でも深刻な問題になりえます。年齢や性別、地理的な影響、経済状態などに関わらず、早死の原因になるのです」と、ワシントン大学の健康基準・評価研究所(IHME)のアシュカン アフシン氏は言う。
研究では、2017年に不健康な食事が世界の1,090万の死亡の原因になっており、これは成人の死亡の22%を占めることが明らかになった。病気や障害、早死により失われた年数を示す障害調整生存年(DALYs)は2億5,500万に達した。
糖尿病で死亡した34万人弱が「食事が原因」
解析した結果、主要な死因は心血管疾患(CVD)で、がん、糖尿病がこれに続くことが明らかになった。
食事は、心血管疾患による949万7,300人の死亡に、がんによる91万3,100人の死亡に、糖尿病による33万8,700人の死亡に、腎臓病による13万6,600人の死亡に、それぞれ関連していた。
これに対し、喫煙は800万人の死亡と、高血圧は1,040万人の死亡と関連していた。食事の影響は喫煙や高血圧よりも深刻であることが示された。
研究では、食事でもっとも影響が強いのは3つの因子であることが示された。
もっとも影響が強いのは、全粒穀物や野菜、果物の摂取が少ないこと、塩分の摂取量が多いことで、死亡の50%とDALYsの66%に影響していた。脂肪の多い牛肉や豚肉、加工肉の摂り過ぎ、糖質やトランス脂肪酸の摂り過ぎが続き、死亡の50%とDALYsの34%に影響していた。
食事を改善すれば毎年数万人の命を救える

世界で食生活の改善を促す政策が必要
「世界では加工食品やジャンクフードなどの不健康な食品の流通が増えています。健康的な食品を増やし、不健康な食品を減らすために、食事などの生活習慣の改善を促す政策が必要とされています」と、アフシン氏は指摘する。
食事摂取基準を設けている国は多いが、乳製品、全粒粉、ナッツ類などの食品で、現実の摂取量とのギャップがみられるという。研究者らは、食料の生産者と食品の製造業のあいだで、こうしたギャップが生じていると予測している。
健康的な食品の摂取を増やすために、食料の生産、加工、包装、マーケティングなど、食料を供給するサイクルのさまざまな領域で調整する必要がある。
大豆食品や豆類などの植物性タンパク質の摂取量を増やすことは、心血管疾患の危険因子を減らすだけでなく、地球環境にも良い可能性があるという報告もある。
「加工食品だけでなく生鮮食品においても、食品の輸出入量が世界的に増えています。国を超えて、食事の改善が緊急に必要であることを啓発する必要があります」と、アフシーンは強調している。
New study finds poor diet kills more people globally than tobacco and high blood pressure(ワシントン大学健康基準・評価研究所 2019年4月3日)Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017(Lancet 2019年4月3日)
Unhealthy diets linked to more than 400,000 cardiovascular deaths(米国心臓学会 2017年3月9日)
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