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糖尿病の治療をしないと腎機能が低下 リスクは4年後に8倍超に上昇 兵庫県豊岡市
2019年10月01日
公立豊岡病院内分泌・糖尿病内科が兵庫県豊岡市の特定健診データを解析した研究で、糖尿病患者で、血糖コントロールの指標であるHbA1cの高値と、善玉のHDLコレステロールの低値が、腎症のリスクを上昇させており、とくに治療を受けていないHbA1c 8%以上の糖尿病の人で腎機能低下が進行し、腎機能障害を有する比率が4年後には8倍に上昇することが分かった。
糖尿病性腎症の重症化予防は全国的な課題
治療を受けないと腎機能障害のリスクが8倍超に上昇
2012~15年の4年間の特定健診受診者(40~74歳)を対象に、血清クレアチニン値の4年目と1年目の比を求め、血清クレアチニン値の1.2倍化をエンドポイントとして生存時間分析を行い、腎機能低下と関連する因子を解析した。初年度(2012年)の受診者数は5,169人だった。
その結果、血圧、血糖、肥満(メタボリック症候群)、喫煙、身体活動、タンパク尿などが腎機能低下の関連因子であることが明らかにった。
なかでも糖尿病と高血圧の影響が大きく、それぞれの疾患がある場合は、腎臓病のリスクが約2倍に上昇することが判明した。
さらに、治療を受けていないHbA1c 8%以上の人で腎機能低下が進行し、治療を受けている人に比べ、腎機能障害を有する割合は4年後には8.15倍に上昇することが分かった。
「高血糖を放置していると危険」と呼びかけ
なお、糖尿病を合併する腎臓病の中に、糖尿病性腎症では典型的とみられるアルブミン尿が確認されない症例があり、「糖尿病性腎臓病(DKD)」として注目されている。
今回の研究では、糖尿病あり群において蛋白尿陰性者は11.1%であったが、この集団においてはHDLコレステロール(低値)のみが腎機能低下と有意に関連していた。
同病院では、これらの研究結果をまとめたリーフレットを作成し、「高血糖を放置していると大変に危険です」「放置していると1、2年で腎機能低下の危険性が高まります」と注意を促している。
「豊岡市でも糖尿病になっておられるにも関わらず未受診の方やそもそも健診を受けていない方が多くおられますので、早目に健診や診察を受けていただくことがとても重要です」と、腎症の重症化予防の必要性を説いている。
豊岡市国民健康保険特定健診データを用いた糖尿病性腎臓病重症化関連因子の解析(糖尿病 62巻6号)公立豊岡病院 内分泌・糖尿病内科
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