ニュース

佐賀県の「歩くライフスタイル推進プロジェクト」 無料アプリを配信しウォーキングを促進

 佐賀県は、県内に公共の交通機関が少なく、運動不足の県民が多い。その結果、働き盛りの世代で肥満が増えており、全国でも糖尿病予備群の割合が高い。
 そこで県は「歩くライフスタイル推進プロジェクト」を開始した。ウォーキングを促進するために、無料のアプリ「SAGATOCO(サガトコ)」の配信も始めた。
運動不足が原因で肥満・メタボが増加
 佐賀県が実施した「2016年国民健康・栄養調査」によると、20~64歳県民の歩数の平均値は、男性 7,201 歩、女性 6,578 歩で、いずれも全国平均より少ない。

 さらに、65歳以上平均では男性が5,489歩で全国平均より少ない。男女ともに多くの年代で全国平均より少なく、とくに男性は30歳代、女性20歳でその差が大きい。

 同県に公共の交通機関が少なく、自家用車に頼らざるを得ないことなどが背景にある。県民1人当たりの年間の路線バス乗車回数は12.6回で、全国平均34.3回の半分未満だ。

 その結果、肥満が増えている。BMIが25以上の肥満者の割合は、男性 31.7%、女性 19.6%であり、男性は50歳代、女性は40歳代でとくに高い。全国と比較すると、男性は20歳代および50歳代以上、女性は20 歳代、40歳代および50歳代で肥満者の割合が高い。
「歩くライフスタイル推進プロジェクト」を開始
 そこで佐賀県は「歩くライフスタイル推進プロジェクト」を開始した。「県民や県を訪れる方々に地域や街中を歩いてもらい、人的交流を盛んにし、地域のコミュニティ保持やまちの賑わい創出など、地域の活性化につなげる」としている。

 県は、歩くライフスタイル推進本部を設置し、今年4月に第1回歩くライフスタイル推進本部会議を開催した。今後、「歩くライフスタイル」を全庁で組織横断的に推進していく。

 その一環として、県は10月より、毎日の健康づくり活動(ウォーキング、健診受診、イベント参加など)がポイントになる公式のウォーキングアプリ「SAGATOCO(サガトコ)」の配信を開始した。

 このアプリでは、ウォーキングなどの運動活動をポイント化し、貯めたポイントでインセンティブ(景品やサービス)に応募できる(ポイント利用開始は2019年12月頃を予定)。その他、歩数や消費カロリーの記録だけでなく、体重や血圧の記録を登録することもできる。
人が主役の"歩く社会づくり"にチャレンジ
さが偉人ラリー
 県民にウォーキングを積極的にライフスタイルにとりいれてもらうための仕掛として、無料アプリ「さが偉人ラリー」を配信し、佐賀の偉業や偉人の功績を知りながら、街なかを歩いてもらうフォトクイズラリーも実施。

 市中央大通りや県内に設置されている佐賀ゆかりの偉人25名の等身大モニュメント36体と写真撮影ができたり、クイズに答えながらミッションをクリアして応募すると抽選で賞品が当たる仕組みだ。

 肥満対策は子供の頃からという考え方から、子供たちにバス乗車を体験するきっかけを提供し親しみをもってもらうため、路線バスを運行するバス事業者4社と協力し、路線バスを利用した「バスでGO!こどもノリノリなぞときスタンプラリー」も開催した。

 バス事業者4社のバスに設置されたクイズに答え、スタンプ設置会場を巡ってスタンプを集めると商品が当たる。親子でイベントを楽しんでもらうことを期待しているという。

 「県民の皆さんが日常的にもっと歩いてみたいと思ってもらえるような環境づくりや、歩くことを積極的にとりいれたライフスタイルに変えていくための仕掛けづくりが必要。人が主役の"歩く社会づくり"にチャレンジしていきたい」と、山口祥義・佐賀県知事は話している。
佐賀県の糖尿病対策 「ストップ糖尿病」を実施
 佐賀県は、全国でも糖尿病予備群の割合が高く、糖尿病対策が遅れている。県では約13.5万人が糖尿病または糖尿病予備群と推定されている。

 糖尿病を発症しても治療を受けておらず、合併症が進展してから糖尿病が発見される人も多い。とくに40~50歳代の就労者層の未受診が問題になっている。

 そこで県医師会、県糖尿病対策推進会議、県保険者協議会、および県の四者により「佐賀県糖尿病性腎症重症化予防プログラム」が策定され、保険者やかかりつけ医、専門医などの連携による糖尿病性腎症重症化予防の取組みを推進している。

 糖尿病が重症化するリスクの高い未受診者・治療中断者を適切な受診勧奨によって医療に結びつける対策をしている。

 糖尿病で通院する患者のうち、腎症が重症化するリスクの高い人に対しても、保険者が医療と連携した保健指導などを行い、人工透析への移行を防止する。

 県民の健康増進および医療費の適正化をはかり、保険者による対策を実施しやすくする狙いがある。

 県では2016年度より「ストップ糖尿病」事業を実施。複数の市町村からなる2次医療圏で、行政や医療機関、保険者などさまざまな関係団体が連携して糖尿病対策に取り組んでいる。約500人の佐賀糖尿病療養指導士(佐賀CDE)も活動している。
佐賀県公式ウォーキングアプリ「SAGATOCO」
「歩くライフスタイル」を推進しています(佐賀県 2019年6月14日)
佐賀県の糖尿病対策
[Terahata]

「健診・検診」に関するニュース

2021年01月28日
【オピニオン新連載】行動科学に基づいた保健指導スキルアップ~対象者の行動変容を促すには?~
2021年01月26日
【新型コロナ】接触確認アプリ「COCOA」がコロナ禍の心理的ストレスを減らす? 企業従業員の心の健康をどう守るか
2021年01月26日
スマホの運動アプリで1日の歩数を2000歩増やせる 新型コロナをきっかけに、運動への関心は世界中で拡大
2021年01月26日
「脂肪肝」が手遅れになる前にスマホで早期発見 病気と認識してきちんと対策 「脂肪肝プロジェクト」を始動
2021年01月26日
人工知能(AI)を活用して大腸がんを高精度に発見 医師とAIが一体となり、がん検査の見逃しをなくす
2021年01月25日
「内臓脂肪」と「腸内細菌」の関係を解明 肥満の人で足りない菌とは? 腸内細菌のバランスが肥満やメタボに影響
2021年01月25日
コレステロール高値で高尿酸血症のリスクが上昇 メタボリックシンドロームと高尿酸血症の関連に新たな知見
2021年01月19日
【新型コロナ】「自然」の豊かな環境でストレスを解消 心の元気を保つために「行動の活性化」を
2021年01月18日
「和食」が健康にもたらすメリットは多い 5割が「健康に良い」、8割以上は「和食が好き」
2021年01月18日
冬の「ヒートショック」を防ぐ6つの対策 急激な温度変化は体にとって負担 血圧変動や脱水に注意
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
  • 週1回配信(毎週木曜日)
  • 登録者数 10,890 人(2021年06月現在)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 2.7%
  • 保健師 44.8%
  • 看護師 10.8%
  • 管理栄養士・栄養士 19.8%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶