就業保健師は6万3千人超 前回調査から5.4%増加 過去最多に-令和6年「衛生行政報告例」

厚生労働省はこのほど、令和6年「衛生行政報告例(就業医療関係者)」の概況を公表した。
令和6年末現在における就業している医療関係者の状況について集計したもの。 このうち就業保健師は6万3000人を超え、前回調査に比べて5.4%の増加が見られた。
就業保健師は過去最高の6万3千人超
衛生行政報告例は就業医療関係者の数や就業先、雇用形態、年齢分布を明らかにし、今後の人材政策や保健指導体制の整備に資する基礎資料とすることを目的に、各都道府県からの隔年(1年おき)の報告をもとに集計。
「保健師・助産師・看護師・准看護師」「就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所」「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師及び施術所」について、それぞれの数や状況をまとめている。
人数を見ると、令和6年末の就業保健師は6万3536人(男性2076人、女性6万1460人)で過去最多となった。前回調査の令和4年末に比べ3237人(5.4%)増加した。男性は129人(6.6%)、女性は3108人(5.3%)増えていた。
事業所に勤務する保健師は5045人
報告のうち保健師、助産師、看護師、准看護師の状況について見ていく。
就業場所については保健師の場合、市区町村に勤務する人が3万3217人で全体の52.3%を占めた。次いで多いのは保健所で9623人(15.1%)、事業所が5045人(7.9%)、病院が3987人(6.3%)、診療所が2990人(4.7%)など。
助産師は病院勤務が2万3054人(59.5%)、看護師も病院が89万5944人(65.7%)と大半を占めた。准看護師は診療所勤務が7万6541人(32.8%)で最も多かった。
雇用形態をみると、保健師は5万1413人(80.9%)が正規雇用で、安定的な勤務体制が確認できる。助産師も3万1073人(80.2%)、看護師も111万5543人(81.8%)が正規雇用で8割を超える一方、准看護師では正規雇用の割合が68.6%にとどまり、非正規勤務の割合が高い。
年齢階級別にみると、保健師は40-44歳が最多で8754人(13.8%)を占め、45-49歳の8370人(13.2%)と合わせると40代が全体の27%を占めている。30代も全体の26.7%を占めており、中堅層の活躍が目立つ。
一方、助産師で最も多い年齢階級は25-29歳で6115人(15.8%)。看護師は45-49歳が最多の18万6529人(13.7%)であり、幅広い世代に分布する。准看護師は65歳以上が4万4314人(19.0%)と高齢層の割合が多かった。
令和6年「衛生行政報告例(就業医療関係者)」の概況(厚生労働省)

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