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令和4年度特定健診受診者「メタボ該当者」は14.8% 高齢層で高水準続く(健保連)

 健康保険組合連合会はこのほど、令和4年度の特定健診・特定保健指導データから、受診者のメタボリックシンドロームの判定状況や、判定における有所見の状況について考察結果を公表した。

 結果によると、全体の14.8%にあたる119万8000人が「該当者」と判定され、12.7%の102万6000人が「予備群」とされた。

特定健診受診者の約4分の1がメタボ・メタボ予備群

 健康保険組合連合会が実施した「令和4年度の特定健診受診者(40-74歳)のメタボリックシンドロームに関する調査」は、第1部「特定健診受診者のメタボリックシンドローム判定状況」と第2部「メタボリックシンドローム判定における有所見の状況」に分けて結果がまとめられている。

 集計にあたっては、内臓脂肪面積もしくは腹囲測定に加え、「血圧」・「脂質」・「血糖」のカテゴリ判定で基準を超えた項目が2つ以上該当した人を「メタボリックシンドローム(以下、メタボ)該当者」。

 また、内臓脂肪面積もしくは腹囲測定に加え、「血圧」・「脂質」・「血糖」のカテゴリ判定で基準を超えた項目が1つ該当した人を「メタボ予備群」としている。

 第1部については、1118組合における令和4年度の特定健診・特定保健指導実績報告データから、関連情報を抽出、集計した。

 評価対象となった特定健診受診者807万6000人のうち、メタボ該当者は119万8000人(14.8%)、メタボ予備群は102万6000人(12.7%)。合わせると、全体の4分の1強がメタボまたはメタボ予備群だったことになる。

出典:健康保険組合連合会「令和4年度 特定健診受診者(40-74 歳)のメタボリックシンドロームに関する調査」2025年7月

 男女別に見ると、男性は21.5%(102万2000人)がメタボ、17.8%(84万3000人)がメタボ予備群。これに対し女性は5.3%(17万7000人)がメタボ、5.5%(18万3000人)がメタボ予備群だった。

 これら以外の「メタボ非該当者」の割合を見ると、男性が約6割に対して女性は約9割。メタボまたはメタボ予備群と判定される割合は、女性より男性の方が大きい。

 一方、年齢階層別に該当者数をみると、メタボと判定された最も多い年齢階層は「50-54歳」と「55-59歳」でいずれも27万3000人。次いで多かったのが「60-64歳」の21万1000人、「45-49歳」の19万8000人。

 該当者の割合は「70-74歳」が24.2%と最も高く、次いで「65-69歳」(23.3%)、「60-64歳」(21.0%)で、年齢階層が上がるとともに高くなっていた。

出典:健康保険組合連合会「令和4年度 特定健診受診者(40-74 歳)のメタボリックシンドロームに関する調査」2025年7月

 メタボ予備群についても、年齢階層別で見ると「50-54歳」が24万3000人で最多だった。男女別での予備群の割合は、男性が「50-54歳」(18.4%)をピークに加齢とともに減少する一方、女性は「50-54歳」(6.1%)以降、6%前後で横ばいだった。

 前年度との比較では改善も確認された。令和3年度のメタボ該当者(保険脱退者を除く)108万8858人のうち、令和4年度の特定健診を受診し、該当者から予備群になった人は15万7056人(14.4%)。メタボ該当者でも予備群でもなくなった人は11万698人(10.2%)で、両者を合わせたメタボ該当者の減少率は24.6%だった。

 一方、同様にメタボ予備群の減少率について見ると、令和3年度の予備群96万6254人のうち、該当者・予備群ではなくなった人は23万6335人で、予備群の減少率は24.5%だった。

 年齢階層別の該当者の減少率は、40-44歳が最多で33.0%。予備群も40-44歳の28.7%が最多だった。いずれも年齢層が上がるにつれて減少率は下がっていく。

メタボ予備群の要因は「高血圧」が最多

 続いて第2部「メタボリックシンドローム判定における有所見の状況」は、498組合の特定健診受診者399万5888人のデータを元にした。

 メタボ該当者と予備群を分けて要因を見ていくと、該当者では「高血圧と高脂血(脂質異常)」の組み合わせが48.4%と最も多く、次いで「高血糖・高血圧・高脂血(脂質異常)」29.3%、「高血糖・高血圧」が16.8%だった。

 メタボ予備群では「高血圧」が62.5%と突出しており、続いて「高脂血」が30.0%、「高血糖」が7.5%と続く。年齢階層別に予備群の判定要因別有所見者の構成割合をみると、年齢が高くなるにつれて「高血圧」の割合が増えていた一方、「高脂血」の有所見者の割合は減っていた。

出典:健康保険組合連合会「令和4年度 特定健診受診者(40-74 歳)のメタボリックシンドロームに関する調査」2025年7月

 またメタボの改善要因として、令和3年度に予備群だった人のうち、令和4年度に該当者・予備群ではなくなった10万4283人を調査したところ、「腹囲」が改善された人が52%と最も高かった。腹囲以外の「血圧」の改善による人が24.8%、「脂質」の改善による人が19.6%だった。

 「腹囲」が改善した人のうち、「腹囲」のみ改善した人が35%を占める一方、腹囲に加えて「脂質」が改善した人は7.9%、「血圧」が改善した人は7.6%、「血糖」が改善した人は(1.5%)だった。

令和4年度特定健診受診者(40-74歳)のメタボリックシンドロームに関する調査(健康保険組合連合会)
[yoshioka]
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