オピニオン/保健指導あれこれ
学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~

No.2 「くすり教育」の実施に向けて ~「くすり教育」を充実させるために~

一般社団法人日本くすり教育研究所 代表理事
加藤 哲太
 2-2 養護教諭の役割

 養護教諭は、生徒の健康の推進に当たって中心的な役割を果たしており、「くすり教育」においても積極的に参画することが望まれます。兼職発令を受けて、授業を実施することも重要ですが、教科担当教員が学校薬剤師とのT.Tで授業を実施するときは、さらに役割が加わります。それは、授業コーディネーターとしての役割です。

 養護教諭は当然、職員として教科担当教員と十分なコミュニケーションをとることができますし、日頃、学校薬剤師とは各種保健活動を行っています。しかしながら、教科担当教員と学校薬剤師とのコミュニケーションは、これまでほとんど無いのが現状だと思われます。今後この3者が協働でくすり教育を行っていくためには、養護教諭を中心として、校長、教科担当教員、学校薬剤師が十分なコミュニケーションをとることが必須と考えます。

 2-3 「くすりの正しい使い方を教育」を充実させるために

 従来、小学校、中学校における「くすり教育」は総合的な学習の時間あるいは特別活動(保健指導)を活用して進められてきました。学校薬剤師が考えた教材を使用し、薬剤師がゲストティーチャーとしてあるいは養護教諭とのT.Tによって、特徴ある「くすり教育」を行い、また保護者を含めた勉強会なども行われてきました。

 「正しいくすりの使い方教育」は、教科としての「くすり教育」だけではなく、健康教育の一環として、セイフティー教室などを活用して、保護者、地域を含む活動として発展することが望ましいと考えます。また学校内においても、教科担当教員による学習指導要領で指定された学年における「くすり教育」だけではなく、全教員が、「くすりの正しい使い方」に関して共通の知識を持ち、実践し、生徒を指導することが大切だと思います。そんな教育体制が構築されたとき、真の「くすりの正しい使い方」教育が行われていくと考えます。「くすりの正しい使い方」は知識として必要ではなく、実践できて意味のあることです。

アルコールと保健指導
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