オピニオン/保健指導あれこれ
学校保健における「くすり教育」について ~今、「くすり教育」をいかに進めるか~
No.2 「くすり教育」の実施に向けて ~「くすり教育」を充実させるために~
一般社団法人日本くすり教育研究所 代表理事
2013年08月26日
2-1 学校薬剤師の活用
「くすり教育」に当たっては、医薬品の専門家であり、非常勤特別職でもある学校薬剤師の参画が効果的であると考えます。グループディスカッションが必要な場合も考えられますし、実験が必要な場合も考えられます。持参した外箱、説明書を教材として使用するときには、医薬品に関する専門知識も必要となります。学校薬剤師が専門家の立場から授業の中で医薬品の正しい使い方について、指導・助言を行い、より一層、積極的な役割を果たすことが教育内容の充実に寄与することは間違いありません。
では学校薬剤師はどのような役割でくすり教育に参画するのがよいでしょうか。
(1)教科担当教員の行う「くすり教育」のサポート教科担当教員による授業実施案の作成をサポートする。あるいは授業実施のための情報、資料、教材などを提供する。 (2)授業に参画して教科担当教員(養護教諭)とのチーム・ティーチング(T.T)
教科担当教員が投げかける質問に対して、学校薬剤師が回答する。あるいは教科担当教員がグループ学習を指導して生徒からの質問を集約し、学校薬剤師がそれに答える。 などが考えられますが、私は、学校薬剤師が、積極的に授業に参画し、T.Tを通して、くすりの正しい使い方を指導することを推奨します。その理由は (1)「くすり教育」は、単なる知識の修得ではなく、状況に応じて自分で判断し行動できる能力を養うことが重要であり、日頃医薬品を通して患者に接し、専門知識を持った薬剤師による指導が必要である。 (2)「くすり教育」に参画し、医薬品や健康について指導することにより、薬剤師がくすりの専門家であることを学ぶことができる。 このような授業が実施されたならば、生徒は自然に、薬剤師が健康やくすりの専門家であることを理解することができるでしょう。学校薬剤師とのT.Tによる「くすり教育」を通して、薬の正しい使い方を学ぶとともに薬剤師が健康や薬の専門家であることを理解しておくことが、将来、信頼できる「かかりつけ薬剤師」のもと、セルフメディケーションを行う重要な基盤づくりになると思います。
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