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肥満はがんの発症リスクを高める がんを予防する生活スタイル
2014年08月22日

肥満や過体重の人は、がんを発症する確率が高いことが明らかになった。「がんの発症リスクを抑えるために、適正体重を維持することが必要です」と研究者はアドバイスしている。
BMI(体格指数)が高い肥満や過体重の人は、がんを発症する確率が高いことが、500万人以上の英国人を対象とした過去最大の研究で明らかになった。 BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」という式で求められる。BMIが27を超えると、がんの発症リスクは上昇していくという。 この研究は、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(LSHTM)の研究チームが発表したもので、医学誌「ランセット」に発表された。
肥満はがんの発症リスクを高める
研究チームは、英国の国民健康保険の加入者を対象とした「臨床診療研究データリンク」から、16歳以上でがんと診断されたことのない524万人の被保険者を抽出し、平均7.5年にわたって追跡調査した。
英国人が発症する全てのがんのうち、上位90%を占める22種類のがんについて、BMIとの関連を調べた。
16万6,955人がんを発症した。22種類のがんのうち17種類で、肥満度をあらわすBMIとがん発症とは関連があることが示された。
BMIが5高まるごとに、子宮がんリスクは62%、胆のうがんは31%、腎臓がんは25%、子宮頸がんは10%、甲状腺がんは9%、白血病は9%、高まることが判明した。
BMIの上昇は、肝臓がん(19%)、結腸がん(10%)、卵巣がん(9%)、乳がん(5%)のリスクも高めたが、これらのがんには、肥満以外の因子である食事や運動などの生活スタイルも影響しているという。
がんを予防するために生活スタイルの改善が必要
英国では成人の4人に1人が肥満で、このまま肥満が増え続けると、2050年までに2人に1人が肥満や過体重になると予測されている。
「英国でがんが原因で亡くなる人の数は年間1万2,000人で、肥満がこのまま増え続けると、肥満によるがん死者は毎年3790人ずつ増え続けると予想されます。がんの発症率を下げるために必要なことは、肥満を解消し、適正体重を維持することです」と、LSHTMのクリシュナン バスカラン博士は語っている。
英国の国営医療サービスであるNHS(国民保健サービス)は、がんを予防するために7つの生活スタイルを勧めている。

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